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来春のWBCの日本国内放送はネットフリックスが独占配信
来春のWBCの日本国内放送はネットフリックスが独占配信

放映権料は50億円超えか?!なぜ来春WBCの地上波放映がなくなりネットフリックスの独占配信となったのか…「時代に乗り遅れた日本のビジネススタイル」SNSは「残念」「寂しい」の声で荒れる

 2022年のサッカーのワールドカップの放映権を巡っては、コンソーシアムの歩調が崩れ、ABEMAが加わったことで資金を確保して放映権を確保したが、2026年の北中米ワールドカップの放映権はいまだに確保できていない。
 山形氏によると、放送界では1990年代の地上デジタル衛星放送、2000年代のインターネット、ブロードバンド放送と2度大きな節目があったそうだが、「日本はその変革にずっと乗り遅れている」という。
 前出の配信会社の幹部は「ライブのスポーツと配信は相性がいい」とも説明していた。プロボクシングの世界では、配信会社の参入で、ほぼ地上波での世界戦及び生放送は消滅した。
 先陣を切ったのは2022年4月にロンドン五輪金メダリストでWBA世界ミドル級スーパー王者の村田諒太(帝拳)がIBF世界同級王者でミドル級最強とされた超ビッグネーム、ゲンナジー・ゴロフキン(カザフスタン)と対戦した試合だ。海外はDAZN、国内はAmazonプライムビデオが初めてライブ配信した。ゴロフキンの招聘には、15億円以上のファイトマネーが必要で、地上波が最大に出せる1億円の放映権料では、とても追いつかず、DAZNがゴロフキンのファイトマネーをカバー、Amazonが5億円の放映料を出すことで世紀のビッグマッチが実現した。
 村田が日本のスポーツにおける配信事業の扉を開いて、スーパーバンタム級の4団体統一王者の井上尚弥(大橋)がさらに大きくした。
 その後、前出のLemino、ABEMA、U-Nextと、次々と大手配信会社がボクシングに参戦して地上波は消滅。現在はフジテレビが深夜に世界戦以外の好カードを録画放映するのみ。テレビ局は関連会社が配信番組を制作する制作会社化した。しかし、結果、選手のファイトマネーが上がり、興行が増えて、好カードが実現すると共に選手の活躍舞台が増えるなどの相乗効果が一気に生まれた。
 では、今回のWBCのネットフリックスの独占配信は野球界にどんなプラス効果を生み出すのか。選手の出場料がアップするのかもしれないが、主に高額年俸の選手が集まる大会でそんなものは期待していないだろう。ネットフリックスのWBC独占配信に、金の匂い以外に何の未来も感じない。
(文責・本郷陽一/RONSPO、スポーツタイムズ通信社)

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