• HOME
  • 記事
  • モータースポーツ
  • なぜだ?!「望みとは真逆の展開になった」角田裕毅がイタリアGP予選10番手で3戦ぶりQ3進出を果たすも空気抵抗を受ける隊列の先頭でコースインさせたチーム戦略に不満漏らす
角田裕毅がイタリアGP公式予選で10番手に食い込みQ3進出を果たすもチーム戦略に不満を漏らす(写真・Getty Images / Red Bull Content Pool)
角田裕毅がイタリアGP公式予選で10番手に食い込みQ3進出を果たすもチーム戦略に不満を漏らす(写真・Getty Images / Red Bull Content Pool)

なぜだ?!「望みとは真逆の展開になった」角田裕毅がイタリアGP予選10番手で3戦ぶりQ3進出を果たすも空気抵抗を受ける隊列の先頭でコースインさせたチーム戦略に不満漏らす

 F1の今季第16戦、イタリアGPの公式予選が6日に同国北部のモンツァ・サーキットで行われ、レッドブルの角田裕毅(25)が、10番手に食い込み、ベルギーGP以来、3戦ぶりに3回目(Q3)進出を果たした。他車の降格ペナルティで今日7日の決勝を9番グリッドでスタートさせる。ただ角田は、空気抵抗を受ける隊列の先頭でコースインさせられたQ3のラストアタックに「理想的なスリップストリームを得られなかった」と不満を募らせ「望みとは真逆の展開になってしまった」とも悔やんだ。来季の去就が注目される角田に何が起こっていたのか。

 「理想的なスリップストリームを得られなかった」

 鬼門だったモンツァ・サーキットで、前身チームから数えて5度目の挑戦で初めてQ3進出を果たした。それでも角田は、結果に対して不満を募らせていた。
 F1公式サイトで映像が公開された公式予選セッション終了後のフラッシュインタビュー。今季第13戦のベルギーGP以来、3戦ぶりに進出したQ3で10番手に留まった角田は、インタビュアーから「もう少しタイムを縮められたのでは」と問われると、苦笑いを浮かべながら口にしかけた言葉をのみ込んだ。
「自分としては…いや、特にそのようには思っていない。Q3では理想的なスリップストリームを得られなかったからね。こういったタイプのサーキットでは伝統的に、集団走行の中でスリップストリームの流れがちょっと欲しいものだが、今回は逆に先頭で隊列をリードせざるを得なかった。結果として望みとは真逆の展開になってしまった」
 公式予選1回目(Q1)と2回目(Q2)を勝ち抜いた10台が、決勝のスターティンググリッドを争う12分間のQ3。残り時間が3分あまりとなった段階で各車が続々とラストアタックに出た中で、角田は隊列の先頭でピットアウトした。
 公式予選などのショートランで先頭を走れば、コース上のトラフィック(渋滞)や前走車のアクシデントなどに巻き込まれずにタイムアタックに集中できる。しかし、同時に空気抵抗をもろに受けてスリップストリームを得られないハンデを背負う。
 ヨーロッパでは「トウ」と呼ばれるスリップストリームは、走行中のマシンの真後ろに発生する空気抵抗の少ない空間を指す。空気抵抗が減少するほどスピードが上がる空力的アドバンテージを得られるため、コンマ数秒を争うF1レースでは前走車を追い上げ、あるいはオーバーテイクする上で必要不可欠な武器となる。
 担当レースエンジニアのリチャード・ウッド氏を含めたレッドブル陣営としては、角田にストレスを感じさせない状況でラストアタックに集中させたかったのだろう。しかし、Q3に進出しただけでなく、できるだけ上位のスターティンググリッドを獲得して決勝に進みたい角田はその戦略は望んではいなかった。
 サマーブレイク中に来季の去就についてチームと協議し、残りレースの結果と内容で決定することで合意した。
 その中で、来季のレッドブルのシートを争うライバルとされる、姉妹チームのレーシングブルズの新人アイザック・ハジャー(20、フランス)は先のオランダGPでは3位の表彰台に上がった。角田が公式予選から上位進出にこだわるのも当然だろう。ちなみにハジャーは16番手に終わりQ1敗退となった。

関連記事一覧