
「あいつ何を馬鹿なことをやってんだ!」角田裕毅が姉妹チームのローソンとの接触で13位に沈み大激怒…「絶対に越えてはならない一線がある。ポイント争いをしているのに最悪だ」
F1公式サイトは、角田に次いで14位でフィニッシュしたローソンがフラッシュインタビューに応じる映像も公開している。今季の2戦を終えただけで、極端に精彩を欠いているとしてレッドブルからレーシングブルズへ降格させられたローソンは、両車がクラッシュする最悪の事態を回避する上でのギリギリの選択だったと強調した。
「あの場面では最初に裕毅が僕を抜いていった。僕も再び逆転しようとしたけど、彼がブレーキングゾーンで僕を押し込んできた。それで2人ともコースアウトしてしまい、最終的には僕がポジションを明け渡した。それでもブレーキングゾーンでは僕はコースの限界ギリギリのところにいたから、本当に危ない状況だった」
レーシングブルズのルーキー、アイザック・ハジャー(20、フランス)の来季昇格待望論が沸きあがる中で、角田はサマーブレイク中に来季の去就についてチームと協議し、残りレースの結果と内容で去就を決める方針で合意した。
そして、サマーブレイク明けの初戦だったオランダGPで、ハジャーは3位に食い込んで自身初の表彰台に立つ快挙を達成した。角田もレッドブル移籍後で最高位タイの9位入賞を果たし、10位だった第7戦のエミリ・アロマーニャGP以来、8戦ぶりに獲得したポイントとともに復調気配にあることをアピールした。
しかし、連続入賞を狙ったイタリアGPで同じグループのドライバー同士が接触。角田のマシンに大きなダメージが残り、1周5.793kmのコースを53周する決勝の半分近くを走らざるを得なくなった状況をレッドブル陣営も問題視した。モータースポーツアドバイザーを務める重鎮、ヘルムート・マルコ氏(82、オーストリア)はドイツのスポーツ専門局『sky Germany』で次のように語っている。
「同じグループのマシンが接触するのは好ましいことではない。その意味で裕毅は本当に不運だった。グループ内で(接触時の)状況を話し合う予定だ」
決勝は公式予選でポールポジションを獲得した絶対的エース、マックス・フェルスタッペン(27、オランダ)が圧勝で今季3勝目をマーク。マクラーレン勢による連続優勝を8戦で阻止すれば、同じく公式予選で自身初のQ1敗退を喫していたハジャーも、ピットレーンスタートから挽回して10位入賞を果たした。
しかし、レッドブルグループが手にしたのは吉報だけではなかった。昨季はビザ・キャッシュアップ・RB・フォーミュラワン・チーム(現レーシングブルズ)でチームメイトだった角田とローソンとの間に、角田を「一線を越えた」と激怒させた禍根を残したまま、今季のF1は全24戦のうちちょうど3分の2を終えた。