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2年前に井上尚弥に敗れた現WBC世界フェザー級王者のフルトンが異例の熱烈エール(写真・山口裕朗)
2年前に井上尚弥に敗れた現WBC世界フェザー級王者のフルトンが異例の熱烈エール(写真・山口裕朗)

「井上尚弥よ。アフマダリエフをボコボコにしてくれ!」2年前にモンスターに倒された”ライバル”WBCフェザー級王者フルトンが9.14名古屋決戦に向け異例の熱烈エールを送った理由とは?

 井上陣営としては、タパレスに勝っていれば、当然、アフマダリエフに挑戦する考えでいたが、負けて王者が入れ替わったためタパレスに挑んで4つのベルトを統一した。その後、WBAは井上とアフマダリエフとの指名試合を指令してきたが、タパレスに負けて商品価値の落ちたアフマダリエフに興行価値を見出せないため、その指令を拒否してきた。アフマダリエフは、来日後の公開練習で「彼は逃げていたと思う。陣営なのか彼自身なのかわからないが」と今なおそんな話をぶり返した。  
 しかし、フルトンからすれば「逃げていたおまえが何を言うんだ」と許せないのだろう。正々堂々と戦って敗れ、リスペクトの念を抱く井上の勝利を願うのも納得できる。
 フルトンは8月28日には自らのXに「井上がMJ(アフマダリエフ)の腰抜け野郎を倒す方に賭ける」と投稿。井上は「all right(了解)」と返した。
 フルトンは、井上に敗れたことで多くを学んだという。
「あの試合に悪い感情はない。敗戦は祝福だと思う。あの負けで多くを学んだ。自分自身がどんな人間かを知ったことが一番の教訓だった。大事なのは、その経験をどう生かすか」
 フルトンは再起し、今年2月に1階級上げてWBC世界フェザー級王者のブランドン・フィゲロア(米国)に挑み判定で勝ち2階級王者となった。そして10月25日には、さらに1階級上げてWBC世界スーパーフェザー級王者のフォスター(米国)に挑戦することが決定した。再び王道を歩み始めたフルトンがその先に見つめるのが「井上との再戦」だ。その日が来るまで無敗でいて欲しいのだ。
「井上と再戦したい。井上はもうすぐ階級を上げるよ。彼はフェザー級でも問題はないと思う。(6階級制覇王者のマニー・)パッキャオと同じさ。だからリスペクトしている。ただオレはその時にフェザーに戻すのは無理。やるならフェザーとスーパーフェザーの間の128パウンドくらいのキャッチウエイトになるだろう。その時はもう一度日本に行って戦いたい。オレはそういうのが好きなんだ」
 かなり具体的なモンスターとの再戦青写真を描いてる。
 だが、井上がフェザー級に上げるのは、来年5月に計画されているWBC&IBF世界バンタム級王者、中谷潤人(M.T)とのスーパーマッチの後になる。
 ただフルトンは、その井上ー中谷については「オレは中谷潤人の試合を一度も見たことがないんだ。井上より大きくてリーチあるんだよな」と語るにとどめ、それ以上は語らなかった。
 まずその前に井上は「過去最強の挑戦者」と警戒するアフマダリエフを撃破せなばならない。運命の名古屋決戦まで残り4日。井上はかつてのライバルの熱烈エールに応えて、アフマダリエフをボコボコにすることができるのか。

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