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リングサイドで見守る大橋会長が抱いていた懸念(写真・山口裕朗)
リングサイドで見守る大橋会長が抱いていた懸念(写真・山口裕朗)

まさか?異変?井上尚弥vsアフマダリエフ戦の裏で大橋会長を“ビビらせた”2つの不安…「足がつったんじゃないかと心配したんだ」

 だが、井上は「判定決着でもいい」と作戦を立て、陣営はフルラウンドを動ける肉体作りをトレーニング段階から仕掛けて準備していた。井上が戦った元WBA&IBF世界同級王者のマーロン・タパレス(フィリピン)をパートナーに招き、帝拳の次期世界王者候補4人とも、スパーリングを重ねる中で、12ラウンドを動ける下半身を作ってきた。足にアクシデントが起きるはすはなかった。
「足の動き、出入りのスピードが良かったね。技術が凄かった。紙一重でかわすシーンもね、キッズボクサーのいい手本になる」
 そして、もうひとつの不安が「過去一」「断トツ」と本人も大橋会長も評価した最高の仕上がりに対する懸念。濃密なスパーを消化しながらも、オーバーワークにもならず、一度も調子を落とすことも怪我などもなかった。すべてが順調すぎて「逆に怖かった」というのだ。
「過去に今回と同じくらいいい状態だったのが、スーパーフライ級時代のカルモナ戦。すごい調子が良くて、相手が大丈夫かと心配になるくらいだったが、1ラウンドに拳を怪我して両手を痛めて判定までいったことがあった。調子が良くても、試合で、いい結果が出ないパターンもある」
 2016年5月のWBO世界スーパーフライ級王座の2度目の防衛戦となるデビッド・カルモナ(メキシコ)戦前が、今回と並ぶくらい絶好調の仕上がりだった。しかし、いざゴングが鳴ると、2ラウンドに右拳を痛め、左手1本で戦ったが、8ラウンドには、左拳まで痛めて両手が使えなくなる大ピンチ。それでも12回にダウンを奪ったが、結局、判定にもつれこんだ。
 だが、そのすべてが杞憂に終わった。
 試合後、アフマダリエフは、敗戦のショックからか会見への出席を拒否。代わりにインタビューに応じたプロモーターが、「これからも井上を(対戦)リストに入れてチェックしていく」と再戦を狙っていくことを示唆した。
 だが、大橋会長は、「ちょっと今の(今度の対戦予定の)面子だと(再戦は)ないねえ。チャンピオンになったりすれば別だけど」と否定的だった。
 次は、12月27日にサウジアラビア「リヤドシーズン」でのWBC同級1位のアラン・ピカソ(メキシコ)戦。
 大橋会長は「もうすぐ発表できる。相当注目される試合で出場してくるメンバーも凄い。(井上は)技術を見せながら、最後はKO決着。そういう試合を期待している」とピカソ戦での“壊し屋ナオヤ”の復活に期待を寄せていた。

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