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アゼルバイジャンGP公式予選で角田裕毅がレッドブル昇格後最高位となる6番手(写真・Getty Images / Red Bull Content Pool)
アゼルバイジャンGP公式予選で角田裕毅がレッドブル昇格後最高位となる6番手(写真・Getty Images / Red Bull Content Pool)

「希望が自信に変わっている」角田裕毅が公式予選でレッドブル昇格後最高位の6番手につけ表彰台の可能性を語る…6度赤旗中断&雨の大荒れレースを追い風に上位に強敵不在の好条件

 それでもQ3で6番グリッドを獲得し、今日21日の決勝で3列目グリッドからスタートできる状況は、ずっと続いていた不振を脱出するきっかけとなる大健闘と言っていい。しかもQ3の赤旗中断前にタイムを計測していたウィリアムズのカルロス・サインツ(31、スペイン)が2番グリッド、姉妹チーム、レーシングブルズのリアム・ローソン(23、ニュージーランド)が3番グリッドと上位陣の顔ぶれも一変している。
 フラッシュインタビューでは、インタビュアーから「理論的に遅いマシンがあなたの前にいる状況を考えれば、明日の決勝でもさらに順位を上げられる希望は持てるのでは?」と、表彰台の可能性についての質問が飛んだ。
 角田は「とにかく明日のレースを楽しみにしているよ」と笑顔を浮かべながらこう語った。
「通常ならば希望と言いたいところだけど、ロングランへの手応えが少し出てきた今は希望が自信に変わっていると言っていい。FP2ではドライビングスタイルやマシンのセッティングを変更しただけだけど、本当にポジティブな結果を得られた。もちろんまだ理想のレベルには達していないので、明日はそれを再現しつつ質も高めていかなきゃいけない。進歩を遂げながら同時に順位も上げていく。それが目標だ」
 初日のフリー走行2回目では、決勝を想定して課題だったロングランへのトライアルを敢行していたのだ。
 角田のこれまでの最高位は、アルファタウリ(現レーシングブルズ)でF1に初参戦した2021年のアブダビGPの4位。この時は公式予選の8番グリッドから追い上げ、3位のサインツに0秒519差でフィニシュした。レース後には「表彰台に立てるチャンスを逃してしまった」と悔やんでいる。
対照的に昨季のサンパウロGPの公式予選では、自己最高位の3番グリッドを獲得しながら、決勝では赤旗中断が不利に働く形で7位に後退した。過去の雪辱を果たす走りを演じれば、悲願の表彰台が見えてくる。
 今季限りでレッドブルとの契約が満了を迎える角田はサマーブレイク中にチーム側と協議し、再開後に行われるレースの内容と結果で来季の去就を判断する方針で合意した。チームのモータースポーツアドバイザーを務める重鎮、ヘルムート・マルコ氏(82、オーストリア)が「9月か10月頃」と、その去就決定の時期に言及した中で、再開初戦のオランダGPは9位、前戦のイタリアGPでは13位に終わり、「今季限りでの退団が決定」「ハジャーの昇格が内定」などの報道が相次いだ。角田が厳しい状況に置かれていることは間違いない。だが、ついに逆襲に転じる最大のチャンスを迎えた。表彰台に上がれば、急転、来季残留の声が出てきてもおかしくない。1周6.003kmのバクー市街地コースを51周する注目の決勝は、日本時間21日20時にスタートする。

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