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世界陸上東京大会は成功だったのか
世界陸上東京大会は成功だったのか

世陸東京大会は成功だったのか…3㎞離れたサブトラック問題に不満聞かれるもパフォーマンスに影響なし…観客動員は60万人を突破、日本勢メダル2つに入賞「11」は過去最高

 東京2025世界陸上が9月21日に幕を閉じた。超人たちの大運動会。9日間の激闘が終わった後でも余韻が冷めていない方は少なくないだろう。今大会には193ヵ国から計1992人の選手が参加。数々のドラマが地球上を熱くした。今大会は成功だったのか?総括した。

 スウェーデンでは視聴率75%

 大会をライブ中継したTBSは大会全日程を通じた視聴人数が7977万人を突破したと発表した。9日間を通した世帯視聴率は連日二桁をマークして、男子4×100mリレー決勝が行われた大会最終日の平均世帯視聴率は19.1%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)、瞬間最高は21時21分で個人21.6%、世帯31.7%に到達した。海外からも熱視線が送られ、スウェーデンでは男子棒高跳びのA.デュプランティスの世界記録シーンが視聴率75%を叩き出したと報道されている。

 世界陸連のホームページには9日間で1300万人のアクセスがあり、トラフィック量(通信データ量)は前回のブダペスト大会から50%増加。SNSでの動画再生回数は7億回以上に達したという。
 世界陸連のセバスチャン・コー会長は、「東京五輪が無観客開催になると決まった後、東京で世界陸上を開催すると約束しました。私たちがその約束を守り、東京都がスタジアムを熱狂的なファンで満員にするという約束を守ってくれたことを大変うれしく思います」と感謝の言葉を述べている。
 国内の競技会でいえば、箱根駅伝を除けば、これだけ世間の注目を浴びたことはない。観戦チケットは完売となった日も多く、合計入場者数は61万9288人と発表された。最終日には今大会最多の5万8723人が来場。選手たちには大声援が送られ、国立競技場は熱気に包まれた。

 トラック最初の決勝種目である女子10000mで6位入賞を果たした廣中璃梨佳(日本郵政グループ)は、「最初から最後まで大声援を感じて、『25周が楽しかった!』と、心から思える試合でした」とスタジアムの雰囲気を語っていた。
 今大会3本のレースに出場した田中希実(New Balance)は女子5000m決勝の後、「予選も歓声が凄いと思ったんですけど、それ以上の歓声でした。自分の集中を突き破るぐらいでした」と大声援を表現している。
 男子100mと同4×100mリレーに出場した桐生祥秀(日本生命)も「これだけ
の大歓声のなかを今後走ることはほぼないと思う」と話すほどの〝爆音〟だった。
 日本人アスリートが感じたことのない異空間。筆者も満員の国立競技場の雰囲気に魅了された。世界陸上は6度目の取材だったが、これまでにないスケールだったように思う。
 一方、今大会では問題点も報じられている。大会前から指摘されていた〝サブトラ問題〟だ。サブトラックは選手たちが最終調整を行う場所で、レース前のウォーミングアップでも使用される。
 2021年の東京五輪では明治神宮外苑にサブトラックを仮設したが、今回は国立競技場から約3㎞離れた代々木公園陸上競技場(織田フィールド)に設けられた。そのため選手たちは専用バスで約15分の移動を余儀なくされた。これが「調整の障壁になる」と一部の選手たちに不満を抱かせたのだ(※国立競技場にはバックスタンド側に6コース×80mのトラック走路もある)。

 

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