
「7回かクローザーか」佐々木朗希の2度目リリーフ成功でロバーツ監督を悩ますポストシーズンのブルペン起用問題…「まだわからない。決断は難しい」
ドジャースの佐々木朗希(23)が26日(日本時間27日)、敵地でのマリナーズ戦の7回に2度目となるリリーフ起用され1イニングを1安打2三振の無失点に切り抜けて、ポストシーズンでのブルペン戦力として認められた。デーブ・ロバーツ監督(53)は、この日をブルペンデーとして7投手を起用。レギュラーシーズンでは先発だったエメット・シーハン(25)のリリーフテストまでしたが、悩ませているのが、佐々木をどこで使うかという問題。米メディアの中からは「クローザーでも驚きはない」との声まであがっている。
先発シーハン、カーショーがポストシーズンではブルペンに回る
救援防御率が5点台まで落ち危機的状況だったブルペンをポストシーズンでどう立て直すかが、一番の課題となっているロバーツ監督は、ナ・リーグ西地区優勝を決めた翌日のマリナーズ戦をそのテストを兼ねた「ブルペンデー」とした。
存在感を示したのが2度目のリリーフ登板となる佐々木だ。
二死から腕組みポーズで知られる、この日、最速となる100.1マイル(約161.1キロ)フォーシームが高めに浮いたところを捉えられ、レフトの頭上を越える、フェンスの上部直撃の二塁打にされた、だが、「MVPコール」が場内を埋め尽くす中で、今季60本塁打を放っているカル・ローリーにスプリットを3球続けて、圧巻の三球三振。
映像メディア「ドジャーブルー」によると、試合後に、ロバーツ監督は「2人の対決を見たかった。ロウキは(ローリーに)いい投球をした。彼のボールの良さを示した。速球を意識させておいてスプリットで空振りがとれるのは特別なことだ」と絶賛。
レギュラーシーズンでの佐々木の登板はもうないことを明かした上で、ポストシーズンでのリリーバーとして合格点を与えた。
「二塁打を打たれた後も、球威がまったく落ちていなかった。打たれてからの反応が良かった。動揺することなくしっかりと投げ切ったのが素晴らしかった。4月だったらああはならなかった。今は日本で投げていたときのような制球を取り戻して速球も本来の威力を発揮している。スプリットもゾーンから鋭く落ちて、理想的な形になっている。今の彼は別人だ。自信をもち、球質も体の状態もすべてが整っている」
だが、佐々木にメドが立ったことで悩ましい問題が浮上してきた。
佐々木をどのイニングで使うのかという問題だ。
2日前のダイヤモンドバックス戦では7回、この日も7回だったが、MLBネットワークの番組に出演した誌「スポーツイラストレイテッド」のトム・バードゥッチ記者は、「今週、彼は2度マウンドに上がると思う。いずれも重要な場面になるだろう。ロウキ・ササキがドジャースのクローザーを務めても驚かないね。ササキにはそれができるだけの球がある」と、クローザー起用の可能性を示唆した。
一方で米スポーツサイト「クラッチポイント」は「ロバーツ監督は、負傷者リストから復帰して以来、タナー・スコットが安定していないのを見てきた。彼が最高の状態でなければ、ドジャースにはポストシーズンでの勝利をもたらすことのできる真のクローザーがいない」とした上で、「佐々木はロバーツ監督にロングリリーフのオプションをも提供し、貴重なブルペン資産となっている。彼は7回の役割を担う可能性が高いようだ」という見方を示した。
前出の映像メディアによると、試合後、ロバーツ監督はどこで起用するかを聞かれて「それはわからない。難しい判断が必要になる」と、胸のうちにある構想を語らなかった。