• HOME
  • 記事
  • 野球
  • 「めちゃクールだ。ロウキを相手にしたい打者なんてほとんどいないだろう」佐々木朗希の“衝撃3人斬り”WCS突破クローザーデビューに監督、フリーマン、ロハス、トライネンらから称賛相次ぐ
勝てばWCS突破のレッズ戦の9回を任された佐々木朗希が3人で締め吠える(写真:Creative 2/アフロ)
勝てばWCS突破のレッズ戦の9回を任された佐々木朗希が3人で締め吠える(写真:Creative 2/アフロ)

「めちゃクールだ。ロウキを相手にしたい打者なんてほとんどいないだろう」佐々木朗希の“衝撃3人斬り”WCS突破クローザーデビューに監督、フリーマン、ロハス、トライネンらから称賛相次ぐ

 そして4番のオースティン・ヘイズにもフォーシームから入りポーンと打ち上げさせた。キャッチャーファウルフライ…だが、一塁側のカメラマン席が気になったのか、ベン・ロートベットがミットに当てて落球してしまう。それでも佐々木に動揺はない。
 さらにギアをあげ、最速を更新する101.4マイル(約163.2キロ)のフォーシームでファウルをとって追い込むと遊び球など挟まずに内角へのフォーシームで勝負。ヘイズはどん詰まりのショート、ムーキー・ベッツへの小フライ。フォーシームの7球のうち6球が100マイル(約161キロ)を超える衝撃的な“クローザーデビュー”となった。
 負傷リストから9月24日に復帰すると、すぐリリーフテストされ、これが3試合目。前2試合はいずれも7回だったが、今回は9回のマウンド。しかも絶対に負けられないポストシーズンの2戦目である。
 その中で最高の結果を出した佐々木は「日本でもWBCで似たような経験をしていたので、“びびる感覚”はなかったが、また日本とは違う盛り上がりがあり、レベルの高い戦いの中で、いいピッチングができてよかった」と振り返った。
 MLB公式サイトなどが映像で伝えた試合後の会見で、ロバーツ監督は、開口一番、「ヨシ(山本)が7回まで投げてくれたのが大きかった。そしてロウキ(佐々木)が試合を締めくくってくれたのも良かった」と、2人の日本人の名前を出した。
 そして、米記者から「ロウキはクローザーか?」との質問が飛ぶと、「アハハ」と笑い飛ばした後にこう返した。
「彼を信頼している。重要な場面で投げてもらうことになるだろう、選手を起用し、経験を積ませると、我々はもっと(選手の力を)わかってくる。山本もそう。ロウキにとってもこの舞台が大きすぎるとは思わない」
 ブルペン陣に懸念が残る中で救世主として登場した佐々木にポストシーズンのクローザーを任せることを否定しなかった。
 まだ佐々木は連投テストはしていない。今後、ディビジョンシリーズ、リーグチャンピオンシップシリーズ、ワールドシリーズと続く中で、佐々木一人をクローザーに固定することはないのかもしれないが、ロバーツ監督は、重要な局面では佐々木をクローザー起用するのだろう。
 米「スポーツネットLA」が伝えたシャンパンファイト映像の中で、アンドリュー・フリードマン編成本部長もこう絶賛した。
「ブルペンはまだ調整が必要だが、とてもいい感触がある。佐々木は、これまで単に調子が悪かっただけ。メカニック(投球フォーム)が合っていなかった。彼にはスーパータレント(もの凄い才能)がある。WBCでのピッチングで大きなプレッシャーも経験している。だから彼なら対処できると、自信をもっていたんだ」
 開幕第2戦となる東京ドームでのカブス戦でデビューし、ローテーにも入っていたが、8試合に登板して1勝1敗、防御率4.72と期待されたほどの結果を残せず、5月9日のダイヤモンドバックス戦を最後に、右肩の「インピンジメント症候群」で負傷者リスト入りした。長期間のリハビリを要したが、獲得にかかわったフリードマン編成本部長は、佐々木の能力を信じて疑わなかった。ブルペン陣崩壊というチーム事情もあったが、そのボールの威力を買い、リリーフ起用を決断した一人だった。

 

関連記事一覧