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ヌートバーが来日しトークショーで次回WBCと2028年ロス五輪への思いを語った
ヌートバーが来日しトークショーで次回WBCと2028年ロス五輪への思いを語った

なぜWBC“侍戦士”のヌートバーは「(5年後の)ロス五輪には出たいけれど大谷翔平との対戦は悪夢」と語ったのか

 侍ジャパンの切り込み隊長として、3月のWBC優勝に貢献したカージナルスのラーズ・ヌートバー外野手(26)が24日、スポンサーシップ契約を結ぶ森永製菓が都内で開催した、元日本ハムの斎藤佑樹氏(35)とのトークショーに参加した。2026年に開催予定のWBCへ向けて日本語を習得していることを明かしたヌートバーは、野球競技の追加が決まった2028年のロス五輪出場に意欲を見せながらも、投手・大谷翔平(29)との対決には「夢ではなく悪夢だ」と“拒絶反応”を示した。

 大谷のFA移籍先には「カージナルスをお勧めします」

 

 WBCを通じて日本中を魅了した、人懐こい笑顔が何度も弾けた。
オフを利用して母親の久美子さんの母国に“里帰り”しているヌートバーが、スポンサーシップ契約を結ぶ森永製菓が、東京のお台場で開催したイベントに参加。旧知の間柄である斎藤氏の前で披露した軽妙なトークのなかでごく近い未来への夢を語った。
 例えば司会者から「来日するにあたって、何か日本語はマスターしたのでしょうか」と問われたヌートバーは、間髪を入れずにこんな言葉をマイク越しに響かせた。
「エイゴガワカリマスカ。ニホンゴ、スコシダケワカリマス」
 会場を沸かせた、次の瞬間、思わず笑わせたちょっぴりぎこちない日本語の意味を、ヌートバーは通訳を介して英語で説明している。そこには2026年に開催予定の次回WBCへ、再び侍ジャパンの一員として出場する目標も込められていた。
「次のWBCまでに完璧に日本語をしゃべれるようになりたいと思って、球場から自分のアパートまでの行き帰りなどを利用して、ずっとアプリで勉強していました。でも、現時点で覚えたのはこの言葉だけです。すみません」
 苦笑したヌートバーの左腕には、大谷からプレゼントされた腕時計が輝きを放っていた。アメリカ代表を撃破し、世界一になった3月のWBC決勝直後。愛用品を贈った大谷が「次のWBCで、日本以外の国の代表でプレーしたらそれを返してね」という言葉を添え、ヌートバーが「もちろんその気はないよ」と返した“約束”の証となるアイテムだ。
 4年後の共闘を望むヌートバーだが、野球競技の追加が決まった2028年のロス五輪に話題が及ぶとややトーンダウンする。生まれ育ったロサンゼルスで開催される五輪自体には「5年後にそのチャンスがあれば、もちろんプレーしたい」と意欲を見せながら、アメリカと日本とで敵味方になり、投手・大谷と対戦する光景には首を横に振った。
「大谷選手と対戦するのは決して夢ではなく、想像もできないほどの悪夢なので、(次回のWBCで)チームメイトとしてプレーしたいと思います」
 何を持って悪夢と位置づけるのか。ヌートバーの脳裏には現時点で唯一の対戦となる、今年5月3日の一戦が蘇っていたはずだ。本拠地ブッシュ・スタジアムで行われたエンゼルス戦で1番を務めたヌートバーは、137kmのスライダー、143kmのスプリット、そして159kmの真っ直ぐの前に3打席連続の空振り三振を喫していたからだ。
 変化球にはこんなにも落差があったと、大きなゼスチャーをまじえながら初対戦を振り返ったヌートバーは、悪夢の意味についてこう言及している。
「160km台の真っ直ぐに加えて、スライダーやスプリットも本当に大きく動く。非常に的が絞りづらい投手なので、打ちやすいと思ったことは一度もありません」
 質疑応答ではこんな質問も飛んだ。このオフにフリーエージェント(FA)になる大谷へ、ヌートバーが所属するカージナルス入りを勧めるのか、と。
「もちろんお勧めします。残念ながらセントルイスには日本食を食べられるお店があまりないけど、彼の契約ならば日本食をどこにでも持ってこられるはずなので」
 大谷自身は右ひじ内側側副じん帯損傷で手術を受け、現在はリハビリの過程にいる。来シーズンは投手としてはマウンドに上がらないため、再戦は早くて2025シーズン。それでも、44本塁打でアジア人初のホームラン王を獲得し、投手としても10勝5敗、奪三振167、防御率3.14をマークした今シーズンの大谷をヌートバーも称賛する。

 

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