
「クリーンなセッションができず本当に腹が立つ」シンガポールGPで角田裕毅が赤旗2度中断の大荒れFP2で11番手に終わりイラつく…来季シート争いの“ライバル”ハジャーは2番手の躍進
苛立ちの裏にあるのは、来季の残留を勝ち取るためにも、このシンガポールGPが重要なレースだからだ。角田は、サマーブレイク中にチームと来季の去就について協議し今後の結果と内容で判断するとの方針で合意した。オランダGPで9位、イタリアGPでは13位に終わったが、アゼルバイジャンGPでは昇格後最高位となる6位入賞を果たして評価を一変させた。ただ、レッドブルは今月末にも来季布陣を発表する考えで角田に残されたレースは、このシンガポールGPを含め、アメリカGP、メキシコGPの北米シリーズしかない。
角田は、今回のシンガポールGPに向けての直前のメディアインタビューで「(アゼルバイジャンGPで)自信をつかみ、他のレース以上にモチベーションが上がっている。このコースは好きだ。去年も予選ではいい走りができた。ポイントは逃したが全体的にペースは悪くないので、ここで走るのが楽しみだ。特別なアップデートを持ち込んでいないが、低めのダウンフォースが合うこのコースは僕らのマシンに有利のはず。今まで以上の自信を持って臨める」と豪語していた。
それだけに大荒れのレースで新タイヤのウォームアップも、課題のロングランも満足にテストできなかったことに悔いが残るのだろう。
さらに来季のセカンドシートを争う最大のライバルのハジャーがFP2で、2番手に入る躍進を見せたことも、心のどこかで気にかかっているのかもしれない。
オランダGPでハジャーは自身初の表彰台となる3位に食い込み、一部のメディアは「来季のハジャーのレッドブル昇格が内定」と報じたほど。最大のライバルが結果を残せば角田の残留の可能性が低くなる。
F1公式サイトによるとそのハジャーは「見た目ほど速くない。アストンマーティンの方が速いと思う。迷惑な中断は、せっかくのいいラップだっただけに悔しいが、うまくは対応できたと思う」とのコメントを残している。
だが、角田も気持ちを切り替えた。
前出のF1公式サイトが伝えたインタビューの中で「少なくとも終盤にかけてはどんどん良くなってきた。そこはポジティブな点だと思う」と前を向いた。今日4日の日本時間18時30分からフリー走行3回目が行われ、22時から公式予選がスタートする。