
「最悪だ。溺れそうだ」「このクソみたいな装置」角田裕毅がシンガポールGP予選“最下位”15番手のQ2敗退の遠因となったマシン不具合に悪態をつき激怒
F1の今季第18戦、シンガポールGPの公式予選が4日に市街地コースのマリーナベイ・ストリート・サーキットで行われ、レッドブルの角田裕毅(25)が2回目(Q2)の15番手で敗退した。1回目(Q1)を10番手で通過した角田は、Q2のラストアタックでタイムを伸ばせず、上位10台が進む3回目(Q3)へ進めなかった。角田は、陣営にヘルメット内のドリンクシステムに生じた不具合を受けて「最悪だ。溺れそうだ」と訴え、最後まで悩まされたタイヤのグリップ不足に「このクソみたいな装置」と過激な表現で苛立ちをぶつけた。決勝で挽回しなければ、アゼルバイジャンGPの6位で盛り返した評価がまた落ちて、もう残留の目がなくなってしまう可能性がある。なおウィリアムズ勢の失格で13番グリッドに繰り上がった。
「グリップが不足」
公式予選を終えた角田は、苛立ちを隠せなかった。
Q2の15番手で敗退し、上位10台が進むQ3へ進めなかった直後。チーフ担当エンジニアのリチャード・ウッド氏へ、無線を通じて「グリップがまったくなかった。理解できない」と訴えていた角田は、胸中に溜め込んでいた不満をF1公式サイトが伝えたフラッシュインタビューでそのままストレートにぶつけた。
「グリップが全体的に不足していた。普段あるべきグリップがどうしても最後まで見つからなかった。四輪が滑ったためにかなり運転が制限されてしまった。ベストは尽くしたけど、本当に苦戦した。正直、こんなに難しいとは思わなかった」
初日のフリー走行(FP)から訴えていたタイヤのグリップ不足が、決勝のスターティンググリッドを決める大事な公式予選を迎えても解消されなかった。前日3日のフリー走行2回目(FP2)には、「少なくともフロントのグリップにまだ苦しんでいる」と語っていたが、その問題が解消されることはなかった。
その影響からか。実はQ1も薄氷を踏む思いで通過していた。
18分間のセッション時間が残りわずかとなった段階で、角田は最下位の20番手に沈んでいた。新品のソフトタイヤに履き替えてのラストアタックで1分30秒574を叩き出し、ノックアウト圏内から一気に10番手へ浮上した。しかし、数分の間隔を置いて開始されたQ2でも、マシンの状態は変わらなかった。
それでもファーストアタックで1分30秒353をマーク。15台中で6番手につけた角田だったが、アタックのたびにタイムを上げてくる他車にどんどん抜かれていく。14番手まで後退した状況で迎えたラストアタック。セクター1こそ自己ベストを更新したものの、続くセクター2と3ではタイムを伸ばせなかった角田は、ファーストアタックで出したタイムすら更新できない。さらにフェラーリのシャルル・ルクレール(27、モナコ)にも抜かれて15番手でQ2敗退を喫した。