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  • 「人生で最悪のスタートだった」12位“撃沈”角田裕毅が出遅れを猛反省も“ライバル”ハジャーにも敗れ海外メディアは「復活劇は長く続かなかった。フェルスタッペンに屈辱の周回遅れ」と酷評
レッドブルの角田裕毅はシンガポールGPで12位に終わり入賞果たせず(写真・Getty Images / Red Bull Content Pool)
レッドブルの角田裕毅はシンガポールGPで12位に終わり入賞果たせず(写真・Getty Images / Red Bull Content Pool)

「人生で最悪のスタートだった」12位“撃沈”角田裕毅が出遅れを猛反省も“ライバル”ハジャーにも敗れ海外メディアは「復活劇は長く続かなかった。フェルスタッペンに屈辱の周回遅れ」と酷評

 ピットインする間に他車がどんどん順位を上げていった過程で、新たな問題も顔をのぞかせた。前走していたアルピーヌのフランコ・コラピント(22、アルゼンチン)をいっこうにオーバーテイクできない。コラピントが、コースオフした間に追い抜き、14位に浮上したのが43周目。実に30周近くを要してしまった。
 何度もDRS圏内につけながらコラピントをオーバーテイクできなかったのはショートランの速さが足りなかったためだ。前戦のアゼルバイジャンGP前まではショートランにおける進歩がレッドブル首脳陣から高く評価されていただけに、そのチグハグなレース内容に角田も困惑の色を隠せなかった。
「このレースへ向けた準備段階の全体で、1周に対する感覚の何が欠けているのか。その理由を絶対に見つけて解決しなければいけない。前回のレースからずっとこの状態が続いている。ロングランが本当に良くなっているだけに本当に残念でならない。以前に語った状況とは完全に逆で、今はショートランで少し苦戦を強いられている」
 コラピントをようやくオーバーテイクし、再びペースを上げていった角田の視界にハジャーが飛び込んできた。前日にQ3進出を果たし、8番グリッドを獲得していたルーキーはマシンの不調もあって、13番手まで順位を下げていた。
 今季限りでレッドブルとの契約が満了を迎える角田はサマーブレイク中にチーム側と協議し、再開後に行われるレースの内容と結果で来季の去就を判断する方針で合意した。レッドブルは10月下旬に来季布陣を発表する予定を立てている中で、角田は再開初戦のオランダGPを9位、前々戦のイタリアGPを13位で終えた。
 その間に角田を巡っては、欧州メディアの間で「今季限りでの退団が内定した」と報じられた。それだけでなく、オランダGPで3位に食い込んで自身初の表彰台に立ったハジャーの躍進を受けて「ハジャーの昇格が内定」とする一報も相次いだ。角田もそれに対して「噂は噂に過ぎない」と一蹴して目の前の戦いに臨んできた。
 まさに来季のシートを争う関係のハジャーと角田は、他車がピットインする間にともに順位を上げていき、52周目にはハジャーが10番手、角田が11番手と入賞圏内を争う状況が生まれた。さらに角田がDRS圏内につけるなど、10位入賞を懸けた一騎打ちが展開されるかに映ったが、直後の53周目に状況が一変した。

 

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