
「フランスでこの行為が禁止されているとは知らなかった」JFAが海外の機内で児童ポルノを閲覧した容疑でパリで逮捕された影山雅永・技術委員長を解雇
JFAのユース育成ダイレクターを経て、技術委員会のトップに就任したのは昨年3月。JFAに常設されている12の委員会の中でも、日本サッカーの強化と普及の両輪を担う技術委員会は最も重要な存在として位置づけられている。
実際に仕事は多岐に渡る。最も目立つのは代表チームの強化及び編成となり、日本代表監督に対する評価や次期候補者の推薦、チームの陣容案の作成や各所属クラブへの招集作業と、年代別を含めたすべての代表チームの活動を下支えしている。
さらに選手育成と計画的な強化、ユース以下の年代を対象とした普及活動も管轄している。具体的には全国各地に設置されているトレーニングセンター制度を管理及び運営し、将来性のある若手を発掘し、より高いレベルの環境を継続的に提供しながら育成していく。同時に指導者の養成も管轄している。
報道によれば、JFAは釈放された影山氏とすぐにコンタクトを取り、即時解任を告げたという。スピード感を伴った措置からは、代表チームの強化面に及ぼす影響を最小限に留めたいとするJFAの意図が伝わってくる。後任もすぐに決まると見ていいだろう。
対照的に育成及び普及に及ぼす影響は、現時点で予測がつかない。
実際に学校単位や地元のクラブチームでサッカーを楽しんでいる少年少女たちが、育成と普及のトップに立つ人間が起こした前代未聞の不祥事をどのように受け止めるのか。保護者の反応も含めて、さまざまな事態に対処していく必要がある。影山氏の即時解任と、宮本会長が公式HP上で強調したガバナンス及びコンプライアンス体制の徹底強化と改善には、JFAが抱く未曾有の危機感が反映されている。
影山氏が向かう予定だったU-20W杯では、若き日本代表がグループAを3戦全勝、7得点に対して無失点と完璧な内容で首位通過。ベスト8進出をかけて8日(日本時間9日)のラウンド16で対戦する相手は、くしくもU-20フランス代表となっている。