
「他に何があると言うんだ?」角田裕毅が渋滞で米国GPスプリント予選の最終アタックができず18番手に沈み不快感示す…接触しかけたローソンにも「彼にいつもあの通りだ」と激怒
さらにここにきて角田とローソンの因縁を深める事態が生まれつつある。
この日のスプリント予選でポールポジションを獲得したエース、マックス・フェルスタッペン(28、オランダ)以外はレッドブル及びレーシングブルズは来季のシートがまだ確定していない。
ただ角田とレッドブルが協議した末に設定された今月下旬のデッドラインを前に、センセーショナルな活躍を演じているレーシングブルズの新人アイザック・ハジャー(21、フランス)の昇格は規定路線とされている。同時にレーシングブルズの2つのシートをローソン、角田、リザーブのアービッド・リンドブラッド(18、英国)、そしてリザーブを務めていたマクラーレンを退団したアレックス・ダン(19、アイルランド)が争う構図が生まれていた。
しかし、英国のF1専門メディア『F1 OVERSTEER』は、レッドブルのモータースポーツアドバイザーを務める重鎮ヘルムート・マルコ氏(82、オーストリア)とダンとの交渉が「ここにきて決裂した」と伝えている。
「マルコはすでに『来季のレーシングブルズにダンは移籍しない』と明言している。理由はレッドブルに関わる全員が、今季のフリー走行(FP)に2回出場しただけのアイルランド出身ドライバーに納得したわけではない、とされている」
一方でレーシングブルズが若手ドライバーの育成を重視してきた立ち位置もあり、マルコ氏は愛弟子でもあるリンドブラッドの昇格を支持している。ダンが抜けた今、来季のF1界への生き残りをかけて角田とローソンが火花を散らす状況が出てくるのかもしれない。
前出の『F1 OVERSTEER』は、米国GPでのSQ1でのニアミスは、角田の存在を過剰に意識するローソンに非があると指摘している。
「F1ファンはニアミスの責任が誰にあるのかですでに一致している。SNS上では角田をより良いグリッドから追い出そうとしたローソンの戦術が非難されている。あるユーザーが『レッドブルのシートを奪った角田に、ローソンはいまだに腹を立てている』と指摘すれば、別のユーザーは『ローソンは角田に謝罪すべきだが、最終的な責任はレッドブルグループにある』と投稿している」
角田がSQ1の18番手で敗退を喫した結果を受けて米国のモータースポーツ専門メディア『motorsport.com』は、レッドブルのローラン・メキース代表(48、フランス)が謝罪するコメントをこう伝えた。
「正直に言うと、私たちは戦略を間違えていた。ラストラップへ向けたタイムスケジュールがあまりにもタイトすぎた。コース上でクールダウンして外に出るか、ガレージでもう少しクールダウンしようとするかの二択だったが、ガレージに戻って再び降りる時間があったのはほんの数台のマシンだけだった。裕毅には本当に申し訳ないと思っている。私たちは彼に謝罪する義務がある」
レーシングブルズ代表時代から角田と信頼関係を築いてきたメキース代表は、すべての非はチーム側にあると認めた。それでもアピールが必要な角田がスプリント予選で後方グリッドに沈んだ状況は変わらない。そこへローソンとの禍根も加わったスプリント決勝は日本時間19日午前2時に、公式予選は同6時にスタートとなっている。