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日ハムに2位指名された大阪学院大のエドポロ・ケイン(左)と祝福にかけつけた総合格闘家の兄のエドポロ・キング(右)
日ハムに2位指名された大阪学院大のエドポロ・ケイン(左)と祝福にかけつけた総合格闘家の兄のエドポロ・キング(右)

近鉄の“伝説助っ人”「ブライアント級のパワーがある」日ハム2位指名の大阪学院大エドポロ・ケインに元バファローズ戦士の中村監督が太鼓判「将来は30本打てる」

 その可能性に太鼓判を押したのが昨年2月に同大学の監督に就任した中村良二氏だ。近鉄、阪神などで11年間プロでプレー。天理大、天理高の監督を務め、天理高では、CSで2試合に先発した日ハムの達孝太、オリックスの太田椋をプロに送り込んでいる。
 中村監督は、初めてケインを見た時に「凄い飛距離。ボールが半端なく飛ぶ。僕の知っている範囲では、ブライアントに近いぐらいじゃないかな」と、近鉄の伝説の助っ人であるブライアントを引き合いに出した。ブライアントは1989年、1993年、1994年と3度本塁打王を獲得した近鉄の“いてまえ打線”の顔で、NPB通算259発をマークした怪物アーチストだ。
「春に有鉤骨を骨折し2カ月ほど休みましたが、8月に復帰してから評価をどんどん高めた。春までは育成ドラフトの評価だったと聞いていたが、最後は2位指名。本人の努力でしょう。粗かった打撃も、当て勘が良くなり、選球眼もアップした。当たれば間違いなく飛ぶ。この時代に30発は打てると思います」
 そう太鼓判を押し、「それに足が速くて肩も強い。大学ではタイトルを取れなかったけれど、プロでは取れるんじゃないか。将来はパ・リーグ、さらに日本を代表する選手になって欲しい」とエールを送った。
 大学では、そのポテンシャルの芽を摘まないようにあえて細かな技術的な指導はしなかったが、野球に取り組む姿勢は厳しく教えた。
 「走塁ではベースの手前で力を抜くようなところがあった。そこを見直さないと、ここぞという時に力を出せないのが野球。やっぱり所作が大事です。それに自分の経験から言えば守備をきっちりできる選手じゃないとダメ」
プロ心得だ。
 中村監督は4年になってケインを主将に指名した。
「そこから自覚が生まれ、プレーにもすがすがしさが出たし、下級生にアドバイスを送るようになった」と目を細めた。
 中村監督は、阪神時代には新庄監督と共にプレー。個人的に木田優夫GM代行とも交流があり、栗山英樹CBOは、大阪学院大の顧問を務めている。不思議な縁にケインも導かれた。
 兄のエドポロ・キングは格闘家として活躍しているが、ケインという名前も格闘好きの父が米プロレス団体「WWE」で”赤い怪物”と呼ばれたケインにあやかってつけたそうだ。
「兄も野球でプロを目指していた。その分、自分が行けて良かった。兄からは”どや、プロに行けそうか?”と聞かれていたので”やったぞ”と伝えたい」
 会見後に記念撮影した弟思いの兄は、SNSで「北海道のみなさん、よろしくお願いします」とのメッセージを伝えている。
 ケインは、会見の中で、どんな選手になりたいかと聞かれると、少し間を置いてしっかりとした口調で、こう宣言した。
「歴史に名を残すような選手になりたい」
この日が新たな伝説の始まりになるかもしれない。
(文責・山本智行/スポーツライター)

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