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亀田京之介がカシメロを3-0判定で破る番狂わせ
亀田京之介がカシメロを3-0判定で破る番狂わせ

なぜ亀田京之介は元3階級制覇の“問題児”カシメロに3-0判定勝利の“番狂わせ”を演じたのか…井上尚弥のアフマダリエフ戦を見習った「倒しにいかない」戦略が的中

「今までの自分を振り返ると何してたんやって思いますよ。ちょっとボクシングを舐めていたというか…井上尚弥チャンピオンへの発言もそうですしね。今になってみれば言わんで良かったんとちゃうかなということを言っていました。井上チャンピオンはリスペクトしていますよ。むちゃくちゃ強いじゃないですか。憧れではないですけど、井上チャンピオンを超えるつもりで今もやっています」
 その気持ちの持ちようの変化が格上のカシメロを破る番狂わせを起こした一番の理由なのかもしれない。
 カシメロに勝てば、次にいとこの元2階級制覇王者、亀田和毅(TMK)との“禁断対決”にターゲットを絞っていた。だが、「なんか記事を見たけど、俺とやらんと言っているので」と方向転換。
 大橋秀行会長が企画した「フェニックスバトル」での1000万円争奪スーパーフェザー級トーナメントへの参戦を決断し、来年2月19日に1回戦で渡邊海と対戦することが発表されている。
 渡邊は、壮絶な倒し合いとなった7月の前戦で齋藤麗王(帝拳)に3回TKO負けを喫しているが、階級がひとつ上になることや、今日のカシメロの出来と比較すれば、3階級制覇王者よりも遥かに強敵のまたしても格上の相手。だが、亀田の眼中に渡邊はないという。
「次は渡邊海だけど、そんなとこを見ていない。松本しか見ていない」
 松本とは優勝候補でシードされた元WBOアジアパシフィック&日本フェザー級王者のミライモンスターだ。
「なんで体重オーバーでシードやねん。おかしい話やん。いち(1回戦)からやったらええのにヘタレやから、そんなことばっかりやっている。あいつ優勝候補やから上がってくるでしょう。決勝までいってそこでボコボコにしますよ」
 松本は3月の日本フェザー級1位の大久祐哉(金子)と防衛戦を行う予定だったが、減量に失敗して病院に運ばれて前日計量をキャンセル。1年間のライセンス停止処分を下された。
 その後、心機一転、父で専属トレーナーだった元OPBF東洋太平洋&日本同級王者だった松本好二トレーナーの元を離れて、志成ジムの野木丈司トレーナーに師事、米国ロスで合宿を張るなど環境を変えて再起に備えている。だが、亀田は、いつものビッグマウスを復活させて、そのミライモンスターを倒すことを宣言した。
 決勝まで渡邉も含めて、3試合をクリアしなければならないが、亀田は、大物のカシメロを破った金星に自信を取り戻したのだろう。
「休んでいる暇はない。帰ってすぐ練習して優勝しようかなと。判定で勝つことができたが、反省点がいっぱいなんで、また帰って頑張ります」
 この殊勝さを忘れさえしなければ亀田が11月から始まるスーパーフェザー級トーナメントの台風の目になるのかもしれない。

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