「本当にギリギリだった。僅差で(Q3進出は)逃したが良い兆候」角田裕毅が予選で来季シート争い“ライバル”ハジャーに僅差で遅れる11番手に終わるも強気だった理由とは?
その間、オランダGPで3位に入って自身初の表彰台に立つなど、存在感を強めるハジャーの「来季の昇格内定」と報じるメディアもあった。しかし、第17戦のアゼルバイジャンGPでの6位入賞から角田が盛り返し、米国GPでも7位に入賞したことで、マルコ氏が“Xデー”を先延ばしにする可能性を示唆。ハジャーが昇格した場合でも、角田は来季のレーシングブルズの2つのシートをリアム・ローソン(23、ニュージーランド)、アービッド・リンドブラッド(18、英国)と争うとも報じられてきた。
来季残留へのかすかな光が見えかけていただけにメキシコGP公式予選のQ2敗退が与える印象は悪い。
オランダのF1専門メディア『RacingNews365』は、公式予選を伝える速報の中で次のような見解を示した。
「レッドブルの来季ドライバーラインナップの決定が近づく中で、日本人ドライバーは再び厳しい視線にさらされている。角田はハジャーにシートを奪われると予想されているが、そうなった場合でも、彼がレッドブルグループのプール内に留まり、レーシングブルズで来季のシートを維持するかどうかは依然として不透明だ」
一方でレーシングブルズ時代から角田と信頼関係を築いてきたレッドブルのローラン・メキース代表(48、フランス)もここにきて“Xデー”の先延ばしを示唆した。英国のF1専門メディア『PLANETF1.COM』がメキース代表のコメントをこう伝えた。
「裕毅を含めた他のドライバー全員に、できる限り多くの時間を与えたいと思っている。以前に(マルコ氏が)メキシコGPの後に来季のオーダーに関する決定を下したいと言った件は知っているが、実際のところ急ぐ必要は何もない」
メキシコGP初日のフリー走行1回目(FP1)では、フェルスタッペンに代わって出走したリンドブラッドが全体で6番手のタイムをマーク。8番手だった角田を上回ったことが海外メディアで大きく報じられたが、マシンへの積載燃料が異なっていた点を含めた条件が異なるとして、同代表は、慎重な言い回しに終始した。
「(リンドブラッドから)いくつかのフィードバックは得られたが、ドライバーのラインナップがどうなるかはまだわからない。少なくともメキシコGP後に何らかのコメントをするつもりだが、繰り返すように決定を急ぐ必要は何もない」
いずれにしても、明日の決勝で続けて上位入賞を果たさなければあらゆる可能性は消えてしまう。幸いにしてQ3で7番グリッドを獲得したウィリアムズのカルロス・サインツ(31、スペイン)が米国GPで5グリッド降格のペナルティを受けた関係で、角田のグリッドは10番手にひとつ繰り上がった。注目の決勝は日本時間27日午前5時にスタートだ。

