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角田裕毅の来季去就に暗雲?!(写真・Getty Images / Red Bull Content Pool)
角田裕毅の来季去就に暗雲?!(写真・Getty Images / Red Bull Content Pool)

「生命線が断たれた」角田裕毅の移籍先候補だったアストンマーティンがリザーブドライバーを発表…レッドブル残留&レーシングブルズ移籍が実現しなかった場合は来季F1撤退か

 しかし角田は、第17戦のアゼルバイジャンGPで6位入賞、第19戦の米国GPでも7位入賞と盛り返し、マルコ氏が“Xデー”を先延ばしにする可能性を示唆。メキシコGPではタイヤ交換時に大幅に時間を要する陣営のミスもあって角田は11位に終わったが、直後にレッドブルは12月5日に開幕する最終第24戦のアブダビGP後に、来季陣容を発表すると正式に発表した。
 来季のF1に関しては、レッドブル及びレーシングブルズを除いたチームのシートはほぼ確定している。唯一の例外はアルピーヌで、今季途中からセカンドドライバーを務めるコラピントの去就が幾度となく取り沙汰されてきた。
 しかし、一時は、角田に興味を示していたとされるアルピーヌのエグゼクティブアドバイザー、フラビオ・ブリアトーレ氏(75、フランス)の関心は、今では改善の兆しを見せるコラピントとの契約延長に大きく傾いているとされる。
 先のメキシコGPでは、コラピントは完走した16台の中で最下位に終わった。今季の獲得ポイントも「0」に留まっている中で、英国のF1専門メディア『The Judge 13』は、アルピーヌの動向に関して次のように報じた。
「アルピーヌで調子を取り戻しつつあるコラピントにとって、最大のライバルはリザーブ兼テストドライバーを務めるポール・アロンだけとなっている」
 昨季のF2でドライバーズランキング3位に入ったポール・アロン(21、エストニア)は今季のF1のフリー走行1回目(FP1)にアルピーヌ、レンタル先のキック・ザウバーから3度出走して経験を積んだ。それでも同メディアは、11月7日(日本時間8日)開幕のブラジルGPに合わせて「コラピントの残留が発表される」とも伝えた。
 さらにここにきて、リザーブドライバーとしてのアストンマーティン入りも実質的に消滅した。角田が来季もF1に生き残るには、レッドブルグループとの契約延長を勝ち取るしか道はなくなったと言っていい。
 ただハジャーに先を越された感のレッドブルだけでなく、レーシングブルズでも、メキシコGPのFP1に出走し、8番手だった角田を上回る6番手のタイを叩き出した神童アービッド・リンドブラッド(18、英国)の昇格が有力視されている。レーシングブルズが若手育成に主眼を置く歴史を持ち、さらに重鎮のマルコ氏も愛弟子リンドブラッドの昇格を推している。となると、残されたひとつのシートを角田とリアム・ローソン(23、ニュージーランド)争う展開が生まれる。英国のF1専門メディア『F1 OVETSTEER』は、レーシングブルズのシートを巡る2人の一騎打ちを次のように伝えている。
「リンドブラッドがレーシングブルズに昇格する場合、彼のチームメイトを選ぶ際の最も重要な要素は、誰が彼の成長を最も助けてくれるかを見極める作業となる。つまり角田とローソンは残された4レースでできるだけ多くのポイントを獲得するだけでなく、若き才能を引っ張り、育てる能力もあると証明しなければならない」
 角田とローソンは米国GPで、ローソンの走路妨害を巡って激しい舌戦を展開。言葉が乱暴すぎたとして、メキシコGP前には角田が謝罪している。昨季終盤はレーシングブルズで共闘し、今季第2戦まではローソンがレッドブルへ昇格して出走するなど、さまざまな因縁を持つ2人が来季の生き残りをかけて火花を散らしていくことになる。

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