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大谷翔平の敬遠策が裏目に出た(写真:Imagn/ロイター/アフロ)
大谷翔平の敬遠策が裏目に出た(写真:Imagn/ロイター/アフロ)

「大谷翔平を歩かせてもリスクはある」敬遠策が裏目に出たブルージャイズ指揮官が嘆き節…打球が挟まる不運と走塁ミスのバーガーは「読みが甘かった」と懺悔

 地元で王手をかけていたブルージェイズがワールドシリーズ第6戦(10月31日・トロント)でドジャースに1-3で敗れて対戦成績が3勝3敗となり逆王手をかけられた。ジョン・シュナイダー監督(45)は3回二死二塁で、大谷翔平(31)を申告敬遠で歩かせたが、この作戦が裏目となり、続くウィル・スミス(30)、4番に打順が変わったムーキー・ベッツ(33)にタイムリーを浴びた。試合後に「全員が強打者。どちらにしてもリスクがある」と嘆いた。また前回の登板で完投勝利を許した山本由伸(27)にまたしても6回1失点に抑えられ、4番に座るボー・ビシェット(27)も「世界最高の投手の一人」と脱帽した。

 「戦略としては予定通り」とシュナイダー監督

 シュナイダー監督の大谷敬遠作戦が裏目に出た。3回だ。二死二塁で大谷を打席に迎えるとベンチから4本指を示して申告敬遠を指示した。大谷の第1打席はケビン・ガウスマンのスプリッターにタイミングを合わせることができず三振に倒れていたにも関わらずだ。
 だが、デーブ・ロバーツ監督は、2番にワールドシリーズでここまで打率.130と不振に陥っていたベッツに代えて勝負強さに定評のあるスミスを起用していた。そのスミスがガウスマンのスプリッターを狙い打ちして、レフト線に先制タイムリー二塁打を放った。
 米サイト「ドジャーブルー」によると、スミスは、「トミー(エドマン)が二死からツーベースを打った時点で展開を頭に描いていました。もしミゲル(ロハス)がアウトになったら、たぶんショウヘイは歩かせるだろうと準備はできていました。スプリッターをしっかりと捉えてバレルに乗せることができました。走者をホームに返せて良かったです」と、大谷の敬遠を計算に入れていたことを明かした。
 さらにフレディ・フリーマンが四球でつなぎ、「落ち着いて打てるように」とデーブ・ロバーツ監督が2番から4番に打順を変えたベッツが三遊間を破る2点タイムリー。これが決勝点となる。
 前出の「ドジャーブルー」が伝えた試合後会見によると、シュナイダー監督は、結果的に采配ミスに終わった大谷の敬遠策について聞かれ、こう嘆いた。
「シリーズ前から話していた。もし打たせたくない明確な状況を迎えたらそうする(申告敬遠)と。大谷だからね。ただドジャース打線は全員が強打者だ。ウィル・スミス、フレディ・フリーマン、ムーキー・ベッツ……誰も簡単じゃない。結局はどちらにしてもリスクがあるんだ。それでもケビン(ガウスマン)の投球に賭けた。スプリットは良かったしね。だが、スミスにはスプリット、ムーキー(ベッツ)には速球を打たれた。その1球が決定打になったけど戦略としては予定通りだった」
 6時間39分の延長18回の死闘にもつれこんだ第3戦では、大谷を9回から4連続敬遠した。延長18回にフリーマンにサヨナラホームランで敗れたが、大谷の敬遠策は成功していて「今後も同じ状況なら敬遠する」とも予告していた。
 だが、ドジャースの打線変更とベッツの復調が誤算だった。
 不運と走塁ミスにも足を引っ張られた。
 2点を追う9回に佐々木朗希から先頭のアレハンドロ・カークが死球で出塁して、続くアディソン・バーガーの打球は、左中間を真っ二つに割った。だが、不運にもその打球はフェンスの下に挟まれた。打ったバーガーまで生還して同点に追いついていたが、守備固めで入っていたセンターのジャスティン・ディーンが打球を取りにいかずに手を上げてアピール。審判はエンタイトル二塁打との判定を下して得点は認められず、無死二、三塁からの再開となった。シュナイダー監督はチャレンジしたが判定は覆らなかった。

 

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