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元西武の“おかわり君二世”渡部(右)が一発を放ち、元阪神のドラフト1位の森木(左)は最速149キロでアピールした
元西武の“おかわり君二世”渡部(右)が一発を放ち、元阪神のドラフト1位の森木(左)は最速149キロでアピールした

トライアウトで「ワンポイントで使える」とアピールに成功した人と「成長を感じない」と失敗した人は誰だ?…元ヤクルト編成部長がNPB復帰可能性のある「4プラス2」を緊急チェック!

 プロ野球選手会が主催した合同トライアウト「エイブル トライアウト2025〜挑め、その先へ〜」が12日、広島のマツダスタジアムで38人が参加して行われた。元西武の渡部健人(26)が一発を放ち、元阪神、オリックスの小野泰己(31)が最速の156キロをマークするなどアピールしたが、ヤクルトの元編成部長でトライアウト視察経験もある松井優典氏に、まだ再生可能性は選手をピックアップしてもらった。

 一番の評価は最速151キロをマークした楽天の長身右腕の宮森

 選手会の主催で存続となったマツダスタジアムでのトライアウトに38人に戦力外の男たちが集結した。ネット裏には12球団の編成担当、メジャー、韓国、台湾プロ野球、独立リーグ、社会人、クラブチームなど100人を超える関係者が勢揃いした。
 楽天コーチ、ヤクルトの編成部長時代にトライアウト視察を行ってきた松井氏に映像を通じて再生可能な選手をピックアップしてもらった。松井氏が「一番目立った」としたのは元楽天の宮森智志(27)だ。
 元広島の中村健人(28)には3-0とボールが先行したが、150キロ連発させてストレートでレフトフライ。元巨人、西武の松原聖弥(30)はカウント2-2から150キロのストレートを高めゾーンに投じてスイングアウト、最後の元オリックス、広島の山足達也(32)には149キロのストレートで押し込んでのセンターフライだった。最速は151キロ。
「ルーキーイヤーに結果を残している宮森が、その後、成績が落ちてきたのは細かい制球力の点なんだと思う。ビシビシとコーナーに決めるコントロールはないが、まだそのコントロールの甘さをカバーできるほどの球威があることは見せられた。この日の最速は阪神、オリックスの小野が156キロを出したが、彼は抜け球が多かった、その点宮森は1m93の長身を生かしたボールに角度があり、空振りが取れて、しかも14球の中で球威にムラがなかった。中継ぎで可能性があるように感じた」
 宮森は呉商、流通経大から四国IL高知を経て2021年育成1位で楽天に入団すると、ルーキーイヤーにいきなりファームのクローザーとして頭角を現し、7月30日に支配下登録され、新人初登板から22試合連続無失点の日本タイを樹立した。イースタンでは17セーブで最多セーブ王を獲得している。23年は開幕1軍に抜擢されるも徐々に成績が降下。今季の1軍登板は10試合に留まり、防御率10.50で制球難に苦しんだ。
 宮森は「ストレートをしっかり投げたかったので、そこはできた。次につなげていければ」とコメントしている。
 松井氏は、「トライアウトはチーム事情に合わせて補強ポイントに合う選手の最終チェックにくる場所。プロ側の編成がそこまでに調査は終えているので、この時点で左の中継ぎが必要なチームがあれば」の条件つきで3人の左腕をピックアップした。
 元ソフトバンクの育成、大城真乃(22)。元ヤクルトの山本大貴(29)、元日本ハムの福田俊(28)の3人だ。中でも存在感を示したのは大城で、元西武の渡部、横浜DeNAの育成、鈴木連(21)の右打者2人と、左打者の松山をすべて変化球で圧巻の三者連続三振に仕留めた。
「やや背中越しに小さなテイクバックから投げる変則のサイドハンド。ストレートは最速143キロで物足りなさは残ったが、変化球で腕の振りが緩まないので打者が手を出す。初見の打者は対応が難しい」

 

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