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代役での緊急世界挑戦が決まった桑原拓(中)。大橋会長、松本トレーナーが奪取に期待を寄せる
代役での緊急世界挑戦が決まった桑原拓(中)。大橋会長、松本トレーナーが奪取に期待を寄せる

こんなことってある?!12.17両国で桑原拓が緊急“代役”WBO世界戦決定…相手は中谷潤人“親友”最強王者だが大橋会長は「こういう流れの時は獲れる」と直感働かす

 WBO世界フライ級4位の桑原拓(30、大橋)が12月17日に両国国技館でWBO世界同級王者のアンソニー・オラスクアガ(26、米国)に挑戦することが17日、大橋ジムで発表された。当初は同級13位の飯村樹輝弥(27、角海老宝石)が世界初挑戦する計画だったが肋骨を痛めたため、数週間前に急遽、桑原に2度目の世界挑戦のチャンスが巡ってきた。大橋秀行会長(60)は「相手は強いがこういう流れの時って獲れるんだよ」と名伯楽の直感を働かせた。桑原も「自分のボクシングができれば絶対に獲れる自信があります。不安はない」と豪語した。

 「自分のボクシングをすれば絶対に獲れる自信がある」

 大橋会長からスマホに着信があったのは6日のロードワーク中のことだった。滅多にかかってこないジムのトップからの電話に何の予感もなかった。会長から、当初挑戦予定だった飯村の負傷でオラスクアガへの代役挑戦者としての世界戦話が舞い込んだことを知らされ、「やるか?」と聞かれた。
「はい、お願いしますと即答しました。こんなチャンスは滅多にない。ワクワクしました」
 桑原にとっては昨年5月6日に東京ドームで行われた井上尚弥とルイス・ネリ(メキシコ)のアンダーカードでWBA世界フライ級王者のユーリー・阿久井政悟(倉敷守安)に0-3判定負けして以来、2度目の世界挑戦である。
「こんなにも早く2回目の世界戦が決まり感謝しています。1年前に不甲斐ない試合をして次はオラスクアガという強いチャンピオンに挑戦できる。自分のボクシングができれば、必ず獲れる。気持ちの面をしっかり持ってチャレンジする。絶対に勝ちにいく。成長した部分をお見せできればいい」
 そう豪語した。 
 タイミングも良かった。偶然にも1日違いの12月18日に試合予定が組まれていた。対戦相手予定だったフー・ロンイー(中国)はIBF世界同級王座決定戦に抜擢されたデイブ・アポリナリオ(フィリピン)に3回KO勝利しているゴリゴリのファイターで、オラスクアガとスタイルが重なる。
「大きく切り替える必要がなかった」と桑原は言う。
 5月のスパーリング中に右足のアキレス腱を断裂し、6月に予定されていた湊義生(JM加古川)との復帰第2戦が中止になった。
 だが、完全断裂ではなくアキレス腱の上部の辺りの部分断裂で、手術もギプス固定もせず、靭帯の再生を促す注射と超音波治療で1か月半くらい後には練習が再開できる驚異の回復力を見せた。
「スパーリングの2ラウンド目でバックステップした時に怪我をしたんですが、よく言われる切れたときの音とかもなくて、痛かったけれど動けないこともなくて、そのまま続行して倒したんです。予定通りに4ラウンドまで消化したんですが、痛いんで医者にいったら部分断裂でした。でもすぐに歩いていたんです。もう不安はありません。怪我する前より足の調子がいいくらいです」
 最近では、IBF世界フライ級王者の矢吹正道(緑)、古くは元WBC世界スーパーバンタム級王者の西岡利晃(当時帝拳)など、アキレス腱の怪我を克服したボクサーの例は多く、それほどの軽傷であれば問題はないだろう。

 

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