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森保監督が記念すべき代表指揮100試合目を白星で飾った(写真提供・日本サッカー協会)
森保監督が記念すべき代表指揮100試合目を白星で飾った(写真提供・日本サッカー協会)

「競争を介して生じる気持ちをチーム作りに生かしている」“ツネ様”はAマッチ100試合目を白星で飾った森保監督の勝率約7割の手腕をどう評価しているのか?

 サッカーの日本代表が18日、国立競技場で行われた国際親善試合でボリビア代表に3-0で快勝した。前半4分にMF鎌田大地(29、クリスタル・パレス)が先制点をゲット。後半26分にFW町野修斗(26、ボルシアMG)が、同33分にはMF中村敬斗(25、スタッド・ランス)がゴールで続いた。年内最後の一戦は同時に、森保一監督(57)にとって代表史上初の国際Aマッチ通算100試合目。2018年7月から長期政権を築いてきた指揮官が、69勝14分け17敗と7割近い高勝率を残してきた価値を追った。

 「感慨はないが感謝がある」

 冷たい水のシャワーが心地よかった。
 年内最後の一戦を快勝で締めくくった余韻が残る国立競技場のピッチ。円陣の中でキャプテンのMF遠藤航(32、リバプール)が「100試合、おめでとうございます」と発声した直後に森保監督を祝福する水かけが始まった。
 日本サッカー史上で、100試合で指揮を執った代表監督は初めてとなる。それでも公式会見に臨んだ指揮官は「私一人で100試合を戦ってきたわけではありません」と前置きしながら、自身を支えてきた周囲への感謝の思いを口にした。
「選手たちやスタッフを含めて、チーム一丸となって目の前の一戦一戦を戦っていく気持ちでここまで来られました。正直、自分の中で特に感慨はありません。それでも選手たちやスタッフ、ファン・サポーターのみなさんも含めて、本当にいろいろな人に支えられ、そして祝っていただいた。感謝の思いでいっぱいです」
 ベスト16に進出したW杯ロシア大会を終えた直後の2018年7月に、西野ジャパンのコーチから昇格する形で、自国開催の東京五輪を見すえたU-21代表監督(当時)を兼任したままA代表の監督に就任。初陣だった同年9月11日のコスタリカ代表戦から2626日目にして、節目となる大台に到達した。
 就任当初は東京五輪世代の若手を積極的に起用して、世代交代を促した。コスタリカ戦で初招集され、さらに先発に大抜擢された東京五輪代表のMF堂安律(27、アイントラハト・フランクフルト)は「この監督のために勝ちたい、という思いは間違いなくすべての選手が持っている」と森保監督へ抱いている思いをこう語っている。
「東京五輪のときから森保さんに育ててもらっていますし、信頼も感じていますし、だからこそやらなくちゃいけない、という思いもどんどん強くなっている。その後に年下の選手が数多く入ってきた中で、責任感も感じているのは僕だけじゃない。航くん(遠藤)や拓実くん(南野)、滉くん(板倉)たちも同じだと思う」
 森保監督のもとで具体的に何がどのように変わってきたのか。代表デビュー時は「自分が、自分が」と思いがちだった堂安は、今現在はまったく違うと笑う。
「自分のパフォーマンスがどうであれ、とにかくW杯で勝ちたい、という思いが強い。自分が追い求めるゴールやアシストじゃなくても、たとえ泥臭い守備でもチームに貢献したい、という思いをすべての選手が持っている。僕自身で言えば、無得点でもいいから日本をベスト8以上に行かせたいという、以前の自分らしくない新しい一面が出てきている。そういうチーム作りをしてきた監督やスタッフは本当にすごい」

 

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