もう来季の残留断念?!「すべてが自分の不利に働いている」角田裕毅がタイヤ変更の大バクチが裏目に出て12位に沈み弱音を吐く
F1の今季第22戦、ラスベガスGPの決勝が22日(日本時間23日)に行われ、レッドブルの角田裕毅(25)は12位に終わり、3戦続けてポイント獲得を逃した。前日の公式予選1回目(Q1)の19番手で敗退していた角田は1周目でいきなりタイヤをミディアムからハードに変える大バクチに打って出たが奏功しなかった。予選後にタイヤの空気圧の設定ミスが判明するなど、直近のレースで陣営に足を引っ張られている角田は「最近はすべてが自分の不利に働いている気がするし本当に厳しい」と来季の残留が絶望的な状況に追い込まれ思わず弱音を吐いた。
予選後にマシンセットに手をつけるも
イチかバチかの大バクチも奏功しなかった。
19番手で敗退したQ1後にリアウイングとパワーユニット(PU)を交換。ピットレーンスタートを選択した角田は、1周目を終えていきなりピットストップ。タイヤをミディアムからハードへ変えたが、直後に複数マシンによる接触が発生。バーチャルセーフティカー(VSC)が出動した影響で大バクチの意味がなくなってしまった。
28周目には2度目のピットストップを選択。タイヤをミディアムに戻したが、入賞を争う展開をまったく作り出せないまま14位でフィニッシュ。マクラーレン勢のダブル失格で最終的には12位へ繰り上がったが、前々戦のメキシコGP、前戦のサンパウロGPに続いてポイント獲得を逃した。
結果としてチグハグに映った1周目のピットストップ。自身を取り巻く状況に弱音にも聞こえる角田のコメントをF1公式サイトが伝えている。
「もしVSCのタイミングが合っていれば、大きな成功につながった戦略になった、と言えたかもしれない。しかし、結局は直前にピットストップしていた僕の運が悪かった、となってしまう。最近はすべてが自分に不利に働いている気がするし、本当に厳しい。予選から決勝までの間にマシンへ加えたいくつかの変更も、思ったほどレースのペースに影響を与えなかった。自分のコントロールを超える問題が本当にたくさん起こっている」
前日の公式予選後には、衝撃的なミスが発覚した。
異常なまでのグリップ不足を訴えていた角田のマシンで、タイヤの空気圧の設定が間違っていたことが判明。チームのローラン・メキース代表(48、フランス)が「裕毅を戦えない状態で走らせてしまった。我々のミスであり、チーム一同、心から彼に謝罪したい」と陣営のミスを認めた上で謝罪した。
角田も決勝後に空気圧の一件に初めて言及した。
「タイヤの空気圧の問題がなければ、予選でもっと良いポジションにつけていたと思う。予選で起きたことはミスであり、自分のコントロール外のことだった。それまでは良い週末を過ごしていただけに、これまでのレースウィークエンドよりも良いパフォーマンスを発揮できるチャンスを逃してしまったこの状況に、本当にフラストレーションが溜まっている。もちろん、僕もチームも常に結果を求め続けている。その中でミスが起こった原因を僕のほうが知りたい。チームとしても、こんな事態は長らくなかったはずだ。この状態を続けていくわけにはいかないと思う」
怒りを抑えた、チームへの苦言と紙一重の言葉だった。

