「尚(弥)に太鼓判をもらった」兄の井上尚弥が那須川天心とのWBC世界戦に挑む拓真の「完璧な仕上がり」を保証した!「あっと言わせる展開になる」
プロボクシングのWBC世界バンタム級王座決定戦の前日計量が23日、東京ドームホテルで行われ、同級1位の那須川天心(27、帝拳)と、元WBA世界同級王者で、同級2位の井上拓真(29、大橋)が揃ってリミットより100グラムアンダーの53.4キロで一発でパスした。拓真は「完璧に仕上がった」「あっと言わせる」と自信をみなぎらせ、計量を見守った兄でスーパーバンタム級の4団体統一王者の井上尚弥(32、大橋)から「太鼓判を押してもらった」ことを明かした。

2人は初めて目を合わせた。フェイスオフは27秒。天心から「しっかりと仕上げてきたんで」と笑顔で声をかけた。互いに握手したが、拓真は言葉を返さない。
「握手はした。そこに返すってダサくないですか?オレもちゃんと仕上げてきたって言うにも変(笑)」
天心が深々と頭を下げると、拓真も頭を下げて返礼した。
「いい表情をしていました」
天心がそう言えば、拓真はこう言った。
「感じるもの?特にない。がっちりと握手はして相手も気合十分な目していた。
気合が入っていたのは感じた」
拓真は凄い肉体をしていた。身長差はあるが、天心とは厚みと幅が違っていた。
「今まで一番いい。完璧に仕上がりました。モチベーションで体重の減りは変わってくる。すべてが一致して、めちゃくちゃ、いい練習と減量ができた。最後までしっかりと動いて食べて飲んで落とせた」
前日夜の体重調整だけでリミットをクリアした。
公式会見に続き計量会場にも兄の尚弥が来た。今回はチーム拓真の一人として壇上に上がり、スマホで計量シーンを撮影しながら見守っていた。
天心戦のオファーがあり、IBF王座を先に狙おうと考えていた大橋会長が決断に悩んでいる時、「絶対に勝てるんで、やらせて欲しい」と、尚弥は真吾トレーナーと共に直談判した。大橋会長もその井上家の相違を確認して受諾を即断した。
拓真がその兄からかけられた言葉を明かす。
「尚も仕上がりを評価というか、『めちゃくちゃいい仕上がり』と太鼓判を教えてくれた」
最後のスパーを打ち上げ、その後の練習の動きを見て、そう語ったという。
尚弥も12月27日にサウジアラビアでのアラン・ピカソ(メキシコ)を控えていて、本格的な練習がスタートしているが、ここまでは、拓真の練習を優先させ、先に自分が練習を終えるようにして、その後は拓真の練習を見てアドバイスを送ってきた。
もちろん拓真にも兄にそう言わせた自信がある。
「今回の試合に関してはすべてが違う。前戦に負けているイメージで回りのファンは見ている。そのイメージで見れば、当日、あっと言わせる展開になる。どうなるかわからないが、仕上がってんで。楽しみしかない」

