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角田裕毅がフェルスタッペンのポールポジション獲得をアシストした(写真・Getty Images / Red Bull Content Pool)
角田裕毅がフェルスタッペンのポールポジション獲得をアシストした(写真・Getty Images / Red Bull Content Pool)

「ユウキのチームプレーに感謝」予選10番手の角田裕毅が絶妙“トウ”を与えてフェルスタッペンのPP獲得を援護…盟友の逆転Vへ「自分の作戦を犠牲にしてでも出来る限りのことをしたい」

「アントネッリのクラッシュがあって古いフロアに戻差ないといけなかった。予選前にあれは理想的じゃなかったし、妥協が必要だった。その中でもQ3にいけてマックスを助けられたのは良かった。誇りに思う」
 F1公式サイトが伝えた予選後のフラッシュインタビューで角田は安堵の表情を浮かべた。
「自分のことよりフェルスタッペンを助けるチームプレーが大事だったのか?」と聞かれると、「とてもハッピーだ」と、意気揚々と返した。
「正直、あのフロアの状況でQ3にいけるとは思っていなかったが、全力を尽くしたかった。助けになれてよかった。もちろん、Q3に進んでマックスを助けるというのは、ベースラインとしての計画だった」
 そしてトウを与えた走りについて「マックスにトウを与えるときは、もっとプレッシャーが大きかった。ターン5で近すぎてもいけないし、遠すぎてもいけない。正直、とてもストレスが大きかった。でも、ちゃんとやり遂げて、チームから褒めてもらえた。良かったと思う」と振り返った。
 ServusTVによると、チームアドバイザーのヘルムート・マルコ氏は、「裕毅は素晴らしかった。スリップストリームは完璧に機能した」と絶賛している。
 角田は来季からリザーブ兼テストドライバーとしてレッドブルに残るが、1年間、事実上F1の舞台では戦えない。
 カタールGP後にマルコ氏から「来年はレースに出ることができない」と告げられた時「正直腹が立った」との心境を明かしている。
 それでも角田は腐ることなく、最後の戦いの舞台でもセカンドドライバーとして盟友の逆転優勝のために自己犠牲を貫いた。
 SNSでは「涙が出るほど素晴らしいチームプレーだ」「これぞサムライ魂じゃないか」などの賞賛の言葉が並んだ。
 だが、これこそが角田のドライバー哲学なのだろう。
 ドライバーズ選手権でトップを守るマクラーレンのランド・ノリスも予選2番手に食い込んだ。フェルスタッペンとは12ポイント差。フェルスタッペンが逆転優勝を果たすには、決勝で優勝したとしても、ノリスが4位以下に沈む必要がある。
 角田のラストランの任務はハッキリしている。
「マックスをサポートするため決勝でもできる限りのことをしたい。自分としては作戦を犠牲にすることになるだろう。それでも(フェルスタッペンが)チャンピオンシップで逆転するチャンスはまだあるわけだから明日はできる限りのサポートをする。どうなるか楽しみだ」
 今日の決勝は日本時間22時スタート。角田はどんな形で有終の美を飾るのだろうか。

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