角田裕毅のラストランに波紋?!「もしかしたら君には厳しすぎたのかもしれない」フェルスタッペンの逆転V援護失敗を皮肉ったSNS投稿に4年前成功のペレスが同調して物議を醸す
なぜここまで大きな波紋を広げたのか。
答えはF1におけるペレスの“過去のアシスト”と密接に関連している。
メキシコ出身のペレスは、21歳だった2011年にザウバーでF1に初参戦。マクラーレンやフォース・インディア、レーシング・ポイントを経て2021年にレッドブルへ移籍し、最終戦のアブダビGPで“伝説のブロック”を演じた。
チームメイトのフェルスタッペンは、ドライバーズ選手権で当時メルセデスのルイス・ハミルトン(40、英国)と同点で首位に並ぶ状況でアブダビGPを迎えた。しかし、公式予選でポールポジションを獲得しながら決勝のスタートで出遅れ、トップに立ったハミルトンに徐々にリードを広げられる絶体絶命のピンチに陥った。
ここでフェルスタッペンをアシストしたのがペレスだった。
ハミルトンとフェルスタッペンが最初のピットストップした直後。ステイアウトしたペレスは陣営からハミルトンを抑える指示を受け、これを2周に渡ってほぼ完璧に遂行。8秒の差を2秒足らずに縮める“アシスト”を得たフェルスタッペンは最終周でハミルトンを逆転。劇的な展開でアブダビGPを制し、自身初のドライバーズ選手権を獲得した。
フェルスタッペンはレース後に、55周目でリタイア(90%以上を走ったため記録上は完走扱い)したペレスへ感謝の言葉を捧げている。
「チェコ(ペレスの愛称)がいなかったら、僕は今、この場所(ドライバーズ選手権王者)には座っていなかった。今日のチェコは本当に途方もない走りをしてくれた」
今季最終戦のアブダビGPでも、くしくも4年前と同じ状況が生まれていのだ。
ドライバーズ選手権でトップに立つノリスを、フェルスタッペンが12ポイント差で追う状況で迎えた決勝。フェルスタッペンが優勝し、ノリスが表彰台を逃せば、5年連続のドライバーズ選手権を大逆転で獲得する展開でフェルスタッペンがトップに立った。崖っぷちのノリスがピットストップから猛烈に追い上げていた23周目だった。
ステイアウトしていた関係で3番手につけていた角田へ、陣営から無線を介してノリスが迫っていると伝えられた直後。角田は無線でこんな言葉を返している。
「僕がやるべきことはわかっている。任せろ」

