「43歳のドネアは明らかに衰えている」序盤の“左フック警戒タイム”をクリアすれば堤聖也に勝機あり…勝者は120日以内に休養王者バルガスとの団体内統一戦へ
「ドネアが勝つとすれば前半のKOしかない。しかし、公開練習の映像を見たが、パンチにもキレがなく明らかに43歳の衰えを感じた。ドネアの左フックは、相手の右に合わせて、ほぼ同時に打ってギリギリを攻めてくる。堤はここは割り切って右は使わず、左を中心にスイッチをうまく使いながら被弾を避ける工夫をしなければならない。その前半を我慢できれば、中盤から終盤に粘り勝ちできるだろう。ドネアは井上尚弥との第1戦でもボディを効かされてダウンを奪われていた。ボディは弱点だと思う。ボディはカウンターをもらう危険性を伴うが、ポジションを考えながら削っていけば、堤が中盤から終盤にかけてペースを握ることができるでしょう」
中谷氏は堤は実戦向きだと主張した。
「堤には、おそらく対戦した相手にしかわからない嫌なボクシングをしてくるやりづらさがある。頭の位置にしても踏み込みづらい位置に置く。しかもアグレッシブ。ドネアが根負けして、いわゆる嫌倒れをして、堤がTKO勝利する可能性さえあるのでは」
ただドネアには左フックと共に注意すべき点があるという。
「ドネアのキャリアはダテじゃない。老獪だ。クリーンファイトはしてこないだろう。スタミナに不安があり、序盤勝負だと考え、あえて堤の古傷の目のカットを狙ってくる可能性もある。ドネアクラスならそれができる」
パンチによる流血で試合続行不可能となった場合は、TKO勝利だが、偶然のバッティングによるカットで試合続行不可能となった場合は、5ラウンドの開始ゴングが鳴る前なら負傷ドロー。5ラウンド以降でそうなった場合は、そこまでのポイントで白黒がつけられる。
ただ堤陣営もカットに備えての対策も十分に練っている。
堤にその元王者達の見立てを伝えた。
「序盤をしのげば大丈夫という色んな声を聞くけど、それだけ集中して神経を切らさずに序盤だけじゃなく、中盤、終盤も一発があるわけで、疲れる12ラウンドになる。淡々とやるべき仕事をリングのなかでこなしていく」
そう言い聞かせた。
また英ブックメーカー「ウィリアムヒル」のオッズは、堤勝利が1.33倍、ドネア勝利が3.25倍で約3倍近く堤が有利となっている。それでも堤は、「珍しいね」としながらも「あまり気にしていない。ドネアを低く見過ぎているのでは」と油断はなかった。
この試合の勝者は、120日以内に休養王者のアントニオ・バルガス(米国)との統一戦を行わねばならないことも明らかになった。バルガスは7月に比嘉大吾(志成)の挑戦をドローで辛くも退けたが、母親死去のショックから練習が手につかず、休養王者となっていた。現在は練習を再開、いつでもリングに上がれる状態にあるという。
ドリームマッチは、その先になるだろうが、那須川天心(帝拳)を判定で下したWBC世界同級王者の井上拓真(大橋)、5階級制覇を狙って大晦日にWBA世界同級挑戦者決定戦を行う井岡一翔(志成)、王座返り咲きを狙う前WBO世界同級王者の武居由樹(大橋)ら魅力的な対戦相手が、バンタム級には揃っている。もし堤がドネアに勝てば、そこが「決勝」の舞台になるのだろうか。
試合の模様はU-NEXTで独占ライブ配信され、両選手の入場時間は20時30分が予定されている。

