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WBC&WBO世界スーパーバンタム級王者スティーブン・フルトン(左)が井上尚弥の挑戦を5月に日本に遠征して受ける理由を米メディアに語った(写真・AP/アフロ)
WBC&WBO世界スーパーバンタム級王者スティーブン・フルトン(左)が井上尚弥の挑戦を5月に日本に遠征して受ける理由を米メディアに語った(写真・AP/アフロ)

なぜWBC&WBO王者のフルトンは井上尚弥との日本での世界戦を決断したのか…米メディアに語った真相とは?

 プロボクシングの前バンタム級4団体統一王者の井上尚弥(29、大橋)の挑戦を5月に日本で受けることが決定的となっているWBC&WBO世界スーパーバンタム級王者のスティーブン・フルトン(28、米国)が、その理由について説明した。現地時間2月6日に米放送局「ショータイム」のブライアン・カスター氏が主催するポッドキャスト番組「ラストスタンド」に出演して語ったものを米専門サイト「ボクシング・シーン」が改めて取り上げたもの。フルトンが語った井上と敵地で戦う理由と、その戦略とは?

 自らプロモーターに直訴

 

 21戦無敗の2団体統一王者のフルトンがついに重たい口を開いた。
「PBC(プレミア・ボクシング・チャンピオンズ)」を中継している「ショータイム」で司会を務めるカスター氏のポッドキャスト番組「ラストスタンド」に出演したフルトンは、井上との対戦を決断するに至った経緯について順を追って説明した。
「私は井上戦が決まる前の昨年11月にブランドン・フィゲロアと話し合っていた。フィゲロアと戦おうとした理由は、あなたが知っているように、評論家の批判を黙らせたかったからだ。みんなが『この試合は接戦だった。この選手が勝った。いやこっちが勝った、負けた』と話している。だから(再戦することで)この批判を黙らせたかったんだ」
 当初、フルトンは2月25日にミネアポリスで2021年11月に激戦を演じた因縁の元WBC&WBA世界スーパーバンタム級王者のブランドン・フィゲロア(26、米国)と互いに階級を上げてWBC世界フェザー級暫定王座決定戦として再戦する予定だった。ジャッジの1人が114-114のドローにつけ、2-0判定勝利となった2年前のフィゲロア戦で起きた採点に関する批判や疑念の声を晴らし、完全決着をつけることが狙いだった。
 だが、バンタム級で4つのベルトをまとめた井上がスーパーバンタム級に転級してくるという情報を耳にして方向転換したという。
「井上が(スーパーバンタム級に)転級してくると聞き、(マネージャーの)ルイス・デキュバスに電話をかけたんだ。そして、私たちは(プロモーターの)アル(・ヘイモン)に電話をつなぎ(井上戦)を実現させたんだ。アルは私に祝福を与えてくれた。(井上戦)こそが私がやりたかった試合なんだ。私は井上戦が実現したことで私のキャリアが前へ進んだように感じる。アルは、私がやりたいことを何でも許してくれる。私が自分のために望んでいるのと同じようにね」
 フルトン自身がフィゲロア戦を白紙に戻して“モンスター”とのビッグマッチを実現するために動いたのだ。フルトンは、PBCを主催する大物プロモーターのアル・ヘイモンと契約しているが、そのヘイモンに自ら直訴したのである。
 井上は、PBCを放映する「ショータイム」とはライバル関係にある放送局「ESPN」と契約しているトップランク社と共同プロモート契約を結んでいて、本来であれば実現が難しい試合だった。だが、フルトンの直訴にヘイモンも同意。井上戦の実現交渉に動いてくれたという。
 おそらく日本開催である点が、アル・ヘイモンとトップランク社のCEOであるボブ・アラムを握手させることにつながったのだろう。ちなみにここまでの米メディアの報道によると、全米では「ESPN」でこの試合は中継される方向だという。
 またフルトン戦が流れたフィゲロアも、すぐさま方向を変え、3月4日にカリフォルニア州オンタリオのトヨタアリーナでWBC世界フェザー級暫定王座決定戦として、前WBC世界同級王者のマーク・マグサヨ(27、フィリピン)と対戦することが決定している。
 なぜフルトンは、そこまでして井上との試合を熱望したのか。
 その理由についてこう説明した。

 

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