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井岡一翔が恒例の大晦日マッチ
井岡一翔が恒例の大晦日マッチ

井岡一翔が批判に反論!「賛否があるのはわかっているがチャンスと評価をもらったのは僕」9位と11位のWBA挑戦者決定戦に疑念の声も「その先に5階級制覇をしたら誰も何も言わなくなる」

 プロボクシングの元4階級制覇王者の井岡一翔(36、志成)が20日、目黒区の志成ジムで大晦日の大田区総合体育館でのWBA世界バンタム級挑戦者決定戦に向けての練習を公開した。井岡が同級9位で相手が同級11位のマイケル・オルドスゴイティ(24、ベネズエラ)であることから挑戦者決定戦にふさわしくないとの批判があるが「賛否があるのはわかっているがチャンスと評価をもらったのは僕。5階級制覇をしたら誰も何も言わなくなる」と反論した。またWBA世界同級正規王者の堤聖也(29、角海老宝石)がノニト・ドネア(43、フィリピン)を激闘で下した世界戦から刺激をもらったことやWBC世界同級王者、井上尚弥(32、大橋)と共に今後のターゲットにしていく考えを明かした。

 井上拓真か?堤聖也か?

 まるで“ボクシング仙人”だ。
 来日しているイスマエル・サラストレーナーを相手にグローブもつけずにまるで基本の型の演舞のようなマススパーを披露。コンビネーションや左のカウンターボディのタイミングなどを美しくやって見せた。
 5階級制覇への第1関門となるバンタム級の転級初戦。
「たかが3カ月ぐらいで、まだ成長過程だが、これだけ変わるのか、こんなに伸びしろがあるのかと感じられた」
 手応えがある。これまでは、フィジカルトレーニングは「必要最小限」に留め、ボクシングのトレーニングとフィジカルトレーニングの割合が「8-2,7-3」だったそうだが、「50―50」までに大きく変えた。
 こだわったのは、ただのパワーアップや肉体改造ではなく「強くなった筋肉をボクシングのパンチにどう結びつけるかという動かし方」。元OPBF東洋太平洋バンタム級王者の栗原慶太(一力)らとスパーリングを消化する中で「ボクシングの本質的な部分は体重が増えても変わらない。スパーリングで壁を感じることはなかった。全然大丈夫」との感触を得たという。
 ただランキング9位と同11位の間で行われる挑戦者決定戦に一部のファンや関係者から批判の声がある。元WBO世界スーパーフェザー級王者の伊藤雅雪氏も「2試合連続で負けている井岡選手がいきなり挑戦者決定戦に出る。しかも、9位と11位の挑戦者決定戦というはおかしいのでは?」と疑問を投げかけた。
 だが、この挑戦者決定戦は、指名挑戦権を得るものではない。過去にも、5位の亀田和毅が10位のメキシカンとWBA世界スーパーバンタム級挑戦者決定戦を行い、勝利したものの、当時のスーパー王者だったムロジョン・アフマダリエフ(ウズベキスタン)への挑戦は実現しなかったことがあり、厳格なIBFとは違い、WBAでの挑戦者決定戦の定義は比較的曖昧だ。
 井岡はその批判の声に反論した。
「WBAからチャンスをもらっている立場なので、それに関してはただ感謝しかないしありがたいという気持ち。忖度という言葉は極端すぎるが、僕がやってきた功績や結果をWBAに認めていただいてチャンスをくれている。相手の選手の経歴やWBAとの付き合いはわからないが、彼もチャンスをもらっているわけじゃないですか。賛否はもちろんあると思うし、それ(挑戦者決定戦)にふさわしいとか、ふさわしくないかというよりかは、チャンスをもらえたのは、僕だし、評価してもらってるのは僕。誰が何をいおうと、このチャンスは僕のものという気持ちですね」
 日本人初の4階級制覇王者のプライドをのぞかせた。
 そして「挑戦権を取ることが大事。その先に5階級制覇をしたら誰も何も言わないですよ。毎試合、一つ一つ大事な試合ですが、そこを目指ず通過点として戦うだけ」と続けた。
 その5階級制覇へのターゲットとなるチャンピオン戦線に大きな動きがあった。17日に正規王者の堤と暫定王者の“レジェンド”ドネアとの団体内統一戦が行われ、激闘の末、堤が2-1判定で勝利した。
 井岡は、この試合から2つの刺激を受けた。
 43歳のドネアの奮闘と、4回にドネアの右のカウンターのアッパーを食らい、あわやダウンをしかけるダメージを受ける大劣勢からの逆転勝利を勝ち取った堤の粘りだ。

 

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