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ラクダに乗って登場したのは元広島の薮田和樹
ラクダに乗って登場したのは元広島の薮田和樹

現地取材した「ドバイ野球って何だ」?TBS番組で話題の新プロ野球リーグはオイルマネーに頼らず“8ラン”もありの奇想天外ルール…参戦中のムネリンは「僕が一番楽しんでいる」

 さらなる野球ファン獲得のため、現在リーグは現地市場の新規開拓にも力を入れる。インド系の選手が多く在籍しているムンバイ・コブラズの試合には、インド系の在住者が招待され、ナショナル・デーのゲームでは、歌い踊りながら声援を送り続ける独特の光景が生まれた。少しでも興味を持ってもらうために思考を巡らす山村氏はこう続ける。
「我々は中東の2チームと、ムンバイ、カラチにチームがありますので、これからインドやパキスタンのマーケットを開拓していかなければ。まだ野球がメジャーではないところに広げていかないと」
 そして最終的に山村氏が口にした目標は明確だった。
「オフに開催しているリーグといえばBaseball Unitedと言われたいですね。そこまでいけばMLBのショーケースになっていくでしょうから」
 ラクダ入場や一発逆転も可能なユニークなルール。独自の取り組みの裏には“話題になることが大事”という確かな意図があると山村氏。
「有名選手がしっかり野球をやる土台はありつつ、オリジナリティを出したい」
 その心意気に応えるように、スタジアムで派手なパフォーマンスを繰り返すのが川﨑である。リーグきっての知名度を誇る人気者は自らのモットーをこう語る。
「お客さんを盛り上げるというか、一緒に楽しむという感じですね。なんと言っても自分が楽しまないといけないので、僕自身が一番楽しんでるということです!」
 さらに川﨑が所属するミッドイースト・ファルコンズは優勝をかけたプレーオフを制し、初代チャンピオンに輝いた。川﨑はプレーオフ3試合で打率.417と打線を牽引。見事MVPに輝いた川﨑は、試合後のセレモニーでこう語った。
「今日の勝利は、みんなで掴み取ったものだと思います。僕だけの力ではありません。選手も監督も、そしてここにいる全員が主役です。最高です! I love you!」
 NPBからメジャーへ登り詰めたあとも、プレーヤーとして躍動し続ける“ムネリン”に、武者修行でレベルアップを図る若い選手、日本でのプレーを目指す元メジャーリーガー。各々の“夢”が交差する舞台が『Baseball United』にはある。
 砂漠の小さな漁港から、急速に世界有数の都市へと発展したドバイ。不可能を可能にするこの土地で、Baseball Unitedもまた、その夢を現実へと昇華させる。
(文責・萩原孝弘/スポーツライター)

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