ミラノ五輪に奇跡?米41歳“レジェンド”女性スキーヤーのボンが膝の十字靭帯断裂のまま強行出場宣言も「無茶苦茶のようでスキー界では珍しくない暗黙の了解」という衝撃の実情
その知られざる現状を伝えたのは米サイト「ジ・アスレチック」だ。
同サイトは「完全に無茶に思えるが、彼女は最初の例ではない」。実のところ、彼女がやろうとしていることは過去にも多くのスキーレーサーが経験してきたことだ」として、今回ボンと共に米国五輪女子代表に選ばれたブリージー・ジョンソンの証言を紹介した。
「スキー界では実は珍しい話じゃないんです。公に話す人もいれば話さない人もいる。それは“暗黙の了解”みたいなものなの」
ジョンソンも2022年の北京冬季五輪の1カ月前にACLを断裂した。彼女もその状態で滑ろうと試みたが「さすがに無理があった」と感じたという。当時26歳の彼女は、いずれ復帰できると考え、実際に現在は第一線に戻っている。
「医師が『無理だ、不可能だ』と言うのは簡単なんです。私も五輪前にACLを切った時に滑っている最中は断裂したなんて思いもしませんでした。きついです。簡単じゃないし、決して安全な行為とは言えません。でもできることでもあるし、実際にやっている人もいるんです」
スイスのヨアナ・ヘーレンは手術をせずに同じことを成し遂げ、同国のカルロ・ヤンカは2017年にACLを断裂し、手術を受けないまま2カ月後に平昌五輪に出場している。さらにはボンのユース時代のコーチであるトニー・オリンも同じ経験をしている。
「ACLなしで3年間競技していた。できるんだよ。車のマシントラブルみたいなものさ。サスペンションが壊れたような状態だ。直しながら、走り続けるしかない」
ボンにとって追い風となるのが、その「筋肉がぎっしりと詰まっていてスポーツ界でも屈指の」強靭な下半身だという。
同サイトは専門医師の見解も取材している。
ニューヨークの特別外科病院に所属するスポーツ医学のジョーダン・メッツル医師はACL断裂直後の患者を数多く見てきた立場から、今回の挑戦は「それほど突飛な話ではない」と語っている。
「ACL断裂というと誰もが『もう終わりだ』と思いがちです。サッカーやアメリカンフットボールのように足を踏ん張る動作が多い競技では、手術が必要になることが多い。しかしスキーでは膝にブレース(装具)を着けて、どこまで機能するかを試すという選択肢も決して現実離れした話ではありません」

