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感動的な聖火点花のシーン。評価の高い開会式だったが残念なブーイングの場面も(写真:AP/アフロ)
感動的な聖火点花のシーン。評価の高い開会式だったが残念なブーイングの場面も(写真:AP/アフロ)

ミラノ五輪開会式の米国選手団入場時に大ブーイングが起きた理由とは…その時スクリーンに映ったのは米副大統領夫婦

 ミラノ・コルティナ冬季五輪の開会式は日本時時間7日、史上初めて4会場分散で開催され、聖火の点火も史上初めて2か所で行われた。イタリアのオペラやファッションなどの要素をふんだんに取り入れた芸術性の高い開会式となり、92か国、地域からの参加選手が入場行進を行ったが、サン・シーロでは米国チームとイスラエルの入場の際にブーイングが飛び交う現在の世界情勢を示すような政治的な一面も垣間見えた。

 開会式前には場外でICEへの抗議デモも

 史上初の4か所分散開催となった開会式の評価は高かった。
 クライマックスは史上初めてとなる2会場での聖火への点灯。メインのサン・シーロでは、世界的テノール歌手アンドレア・ボチェッリさんが有名な「トゥーランドット」を熱唱して聖火ランナーを呼び込んだ。
 このスタジアムを本拠地とするサッカーセリエAの名門ミランのフランコ・バレージ氏とインテルのジュゼッペ・ベルゴミ氏という2人のレジェンドが登場。男女のバレーボール選手を経て、最終ランナーとして登場したのが、アルペンスキーで、金3つ銀2つを獲得するスーパースターだったアルベルト・トンバ氏と3大会連続金メダルのデボル・コンパニョーニ氏。2人は場外の「平和の門」に設置されたレオナルド・ダヴィンチのデザインをインスパイアした幾何学な球形の聖火台に聖火を点かした。
 英高級紙のガーディアンは、「開会式はサン・シーロのショーというより、ミラノ、コルティナ、リヴィーニョ、プレダッツォの4会場が同時中継で縫い合わされ、ひとつの物語として進んでいく『生放送のタペストリー』だった」と表現した。
 開会式のテーマは「アルモニア(調和)」。
 まさにそれにふさわしく「パレードは意図的に分割され、まるで4つの開会式がひとつに縫い合わされた放送を観ているかのようだった。その演出は紛れもなくイタリア的だった」と賞賛した。
 だが、サン・シーロの空気を一変する出来事があった。
 米国選手団の入場は、熱狂的に迎えられたが、会場のスクリーンに貴賓席に座っていたJ・D・ヴァンス副大統領とセカンドレディのウシャ・ヴァンス氏が映しされると、大ブーイングの嵐が起こったのだ。
 彼らのスクリーンへの登場は数秒間だけだったが、米ニューヨークタイムズ紙は、「パレードの大音量の音楽にもかかわらず聞こえるほどの嘲笑やブーイングが散りばめられた」と評した。
 開催国にまでやってきている米移民・関税執行局ICEや、NATOが反対する中で、トランプ米大統領のグリーンランドを領有したいとする発言などの政治問題が背景にあると見られる。
 同紙によると開会式前にはイタリアに駐留したICEへの抗議デモが行われた。またヴァンス副大統領は、SNSでトランプ大統領を支持し、NATOやその加盟国を批判するコメントを投稿。軍事作戦でベネズエラ大統領のニコラス・マドゥロを強行逮捕して米国へ連行した行為を擁護し、そして「しばしば残酷で時には死亡事故も出る」米国でのICEによる移民取り締まりを推進しているという。
 米ニューズウィークは、この同じ場面について隣国カナダがどのように放送したかを伝えた。
 カナダ放送協会(CBC)の実況は「おっと…ブーイングがすごい。口笛、嘲笑、拍手も少し。画面に映る時間は長くなさそう」とコメントしたという。

 

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