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団体金メダルのグレンの演技曲の無断使用問題が解決!(写真:西村尚己/アフロスポーツ)
団体金メダルのグレンの演技曲の無断使用問題が解決!(写真:西村尚己/アフロスポーツ)

「誤解が解けて良かった」フィギュア団体金メダル米国女子グレンの演技曲“無断使用問題”が解決「プロセスに問題はあったが」…著作権問題は根深く新たにAI作曲の盗作問題も浮上 

 しかし、フィギュア競技における演技曲と著作権の問題はこれで終わりではない。
 今大会では著作権を巡るトラブルが相次いだ。
米サイト「ジ・アスレチック」によると、今大会では、グレンも含めて3件の著作権を巡るトラブルがあったという。スペイン選手権6連覇のトマスリョレンク・グアリノサバテは、人気アニメ映画「ミニオンズ」をイメージした演技曲を使用予定だったが、ギリギリまで使用許可が下りずに大問題に発展していた。中立選手として出場しているロシアのピュートル・グメンニクは、シーズンを通して使用してきた演技曲の使用許可が得られなかったため、男子シングルSPプログラムを再構成せざるを得なかった。
さらにAIが作曲した曲を使用した場合の著作権にまで問題は及んでいる。
チェコのアイスダンスのムラシュコワ・ムラジェク組が90年代をテーマにした演技でAIが作曲した曲を持ち込んだことが波紋を広げた。米サイト「ギズモード」が報じたところによると、AIが他の曲を盗作した可能性が指摘され、SNSでは「自分たちの芸術性を求めるのに、音楽の作者の権利は軽視するのか」と批判もあったという。
2014年にボーカル入りの楽曲の使用が解禁されて著作権問題が表面化した。
前出の「ジ・アスレチック」は、競技用音楽の法的権利確保を支援する音楽ライセンスプラットフォーム「ClicknClear」の創業者兼CEO、シャンタル・エップ氏の説明を紹介している。
「スポーツイベントの生中継でBGMが流れる場合、会場は通常、公衆実演権ライセンスの対象となり、演奏権管理団体から取得する。しかし、フィギュアスケートのように楽曲に合わせて振り付けられた演技は『劇的公衆実演』と呼ばれ、著作権管理団体や演奏権管理団体ではライセンスを提供していない。アスリートがライセンス取得のために利用できる他の機関もあるが、全員が期限までに手続きを完了するわけではない」
 著作問題は複雑に絡みあっており、解決の糸口は見えないという。
特にフィギュアのように振付と一体化した演技は「ドラマチックな公衆演奏」と扱われ、一般の著作権管理団体が提供する枠だけでは足りないケースもある。
 エップ氏ら、法律・ライセンスの専門家は、選手が法的リスクを負わずに演技に集中できるようにするため、振り付けに使用する楽曲を選ぶ前にIOC音楽ガイドラインを精読して早期に楽曲の使用を各所に申請して著作権の問題を解決するように推奨している。

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