進路妨害で失格大ブーイング中国選手が「謝ろうとしたが殴られた。公衆の面前でやる必要はない」と“逆ギレ”…5位に終わったオランダ金候補は「五輪の夢をぶち壊された」と激怒
ミラノ・コルティナ冬季五輪の男子1000mでトラブルが起きた。金メダル候補だったユップ・ベンネマルス(23、オランダ)がアウトインの入れ替えゾーンで廉子文(27、中国)に接触される妨害を受け、再レースを認められるも5位となり「五輪の夢をぶち壊された」「30分以内の再レースは理不尽」と激怒した。一方の廉子文は「故意でない」と主張。「謝ろうとしたが殴られた。公衆の面前でやる必要はない」と逆ギレした。両者はこの後もレースを残しており因縁が続きそうだ。
「30分以内の再レースなんて理不尽だ」
2025年の世界選手権の1000m覇者で金メダル候補だったベンネマルスがまさかのトラブルに見舞われた。ラスト1周のバックストレート。アウトレーンを滑っていたベンネマルスがレーンを入れ替えるクロッシングゾーンでインレーンに入ろうとする際に廉子文がレーンを譲らなかったために接触、減速せざるを得なくなった。
ベンネマルスは、その時点でトップに立つ1分7秒58でゴールしたが、怒りが収まらない。
両手を広げて廉子文に鬼の形相で何やら言葉を投げかけて怒りをぶつけ、「向こうへ行け」とばかりに突き飛ばすかように背中を叩いた。
TNTスポーツの解説者のカールトン・カービーは、このトラブルを「大惨事」と表現し「彼にとってまさに悪夢だった。なんて残念なことか。彼は自分がメダルを獲得できると信じていたに違いない。接触がなければ五輪記録になるはずだし彼自身もそれを分かっていると思う」と接触がなければ五輪レコードペースだったことを明かした。
ルールでは2人が並んだ場合、アウトレーンを優先せねばならないため、廉子文は失格となり、ベンネマルスの再レースが認められた。
だが、30分以内に再レースが指令され、オランダメディア「NU.nl」によるとオランダの ヤック・オリエ監督が「それではあまりにも短すぎる。もっと間隔を空けてくれ」と審判団に抗議した。
結果的にその抗議は認められず、この時点で「メダル獲得の可能性は1%くらいだろう」と覚悟したという。
「ヨープ!ヨープ!ヨープ!」
再レースを前にスタンドから大合唱が響き渡り、逆に先にリンクを去る中国人に対しては大ブーイングも起きた。
オランダの公共メディア「NOS」によると「会場の観客も2本のレースの間隔があまりにも短いことは理解していた。スケート場はまるでサッカースタジアムのような熱気に包まれ、観客は一丸となってオランダ人選手を応援した」という。
だが、疲労が回復していなかったベンネマルスのスケートは走らなかった。1回目のタイムを上回ることができず5位に終わった。
前出のオランダメディアのNOSによると、ベンネマルスの怒りはレース後も収まらなかった。
「信じられない。自分には優先権があって、自分のラインを滑っていたのに、弾き飛ばされたんだ」と、動揺した様子で接触場面を振り返り、こう続けた。
「僕の五輪の夢をぶち壊された」
彼の父は、世界選手権で2連覇している元トップスケーターのエルベン・ベンネマルス。父もまた金候補と言われながらもトリノ、バンクーバーと2度出場している五輪でメダルに届かず、息子のユップにとってメダル獲得は、親父2代の悲願だった。
そして「ISUなのかIOCなのか、誰が決めたのか分からないけど、30分以内に再びスタートに立てと言われるなんて本当に理不尽だ。そんなの無理だ。もっと間隔があれば結果は違っていたはずだ」と、大会運営サイドにも不満をぶちまけた。

