「マリニンも人間だった」なぜフィギュアで“4回転の神”や銀メダル鍵山優真もミスを連発させる大波乱が起きたのか…「クオリティが高いからこそ演技構成点が下がらずメダルを獲得できた」
「言葉がない。表彰台に上がれると思っていなかったので驚いているし頑張ってきた良かった。フリーを滑り切って、ほとんどノーミスだったし楽しかった」
なぜ大波乱が起きたのか。
現役時代にグランプリシリーズ、4大陸選手権で金メダルを獲得、現在はプロスケーターとして活躍中の無良崇人氏も「これぞ五輪。誰がこんな結果を想像したでしょう。それが第1声。想定外のことがたくさんおきました」と驚きを隠さなかった。
無良氏はマリニンの惨敗の理由をこう分析した。
「マリニンも人間だったってことです。ロボットのように正確に高く4回転を跳んできましたが、4回転、全種類の難度の高いプログラムのリスクが出ました。4回転アクセルが1回転になることは珍しい。あそこまで回転がつかないケースはなかなかありません。このまま締め(回転を)続けると“ヤバイ”と本能的に開いた(回転を止める)のでしょう。それより想定外だったのは、アクセル以外の4回転を失敗したことです。これまではトリプルを跳ぶような感覚だったはずの4回転トゥループ、サルコーをミスしました。アクセルの失敗から感覚がずれていったのかもしれません。ここまで崩れるのは初めてじゃないですか」
2シーズン負け無しのマリニンが大崩れした原因は、やはり団体戦で、当初SPだけの予定だったにもかかわらず日本に猛追されたことでフリーにも出場し、中1日で個人のSP、フリーと続いた異例の“強行軍”にあると指摘した。
「1週間に2試合も集中して揃えることは難しいです。肉体だけでなく精神的にも疲労していました。集中しているはずなのに集中できなくなる。そんな状況だったんじゃないでしょうか。僕は現役時代に3週連続で、大会が続いた時でさえ、1戦1戦パフォーマンスが落ちていく感覚がありました。足が踏ん張れなくなり、フリーの前半で“足に疲れが来ている”となるんです。通常の試合のルーティンではなかったことが影響したと思います」

