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銀メダルの鍵山優真と銅メダルの佐藤駿が喜びを分かち合う(写真・AP/アフロ)
銀メダルの鍵山優真と銅メダルの佐藤駿が喜びを分かち合う(写真・AP/アフロ)

「マリニンも人間だった」なぜフィギュアで“4回転の神”や銀メダル鍵山優真もミスを連発させる大波乱が起きたのか…「クオリティが高いからこそ演技構成点が下がらずメダルを獲得できた」

 一方の鍵山の3つのミスはなぜ生まれたのか。
「冒頭の4回転サルコーのミスは左に軸が外れていました。鍵山選手にはもともと左に軸が外れる傾向にありました。次に予定していた4回転フリップを意識していたことも精神的に影響していたのかもしれません。そのサルコーに失敗して感覚の違いを修正しきれなかったのでしょう。ただマリニンに勝つには、もうひと種類4回転を増やさねばならないと決断した4回転フリップへの挑戦無謀だったとは思いません。練習を積んできた中での確信があってこその選択だったと思います。後半のコレオに入る前につまづきがありましたが、転倒があると、踏ん張った影響で足への負担が増します。また団体戦とは違う緊張、プレッシャーがあったんだと思います」
 その上で無良氏は、鍵山の銀メダル獲得の理由をこう分析した。
「もし鍵山選手でなければ、もっと演技構成点の点数は下げられていたと思います。高いスケーティング技術、基礎プログラムの内容のクオリティが高いからこそメダルを狙える位置に留まれたのです」
 鍵山は3つのミスを犯したが、演技構成点は85.84点をマークした。これは金メダルのシャイドロフの演技構成点よりも上回っていた。
 銅メダルを獲得した佐藤についても「ショートではミスで崩れて9位と出遅れたので厳しいと思っていましたが、フリーではしっかり立て直してきました。精神的に成長した部分は評価していいでしょう。団体の表彰式で傷ついたブレードの問題も大変だった思います。小石ひとつ踏むだけで、ブレードは影響受けるくらい繊細なものなのです。タナボタかもしれませんが、最後まで安定感を保ち、滑りきったからこそ得た銅メダルです」と評価。また13位に終わった三浦佳生には「ポテンシャルは高い選手です。年齢的に次も狙えます。この悔しさを4年後にぶつけて欲しい」とエールを送った。
 4年後のフランス・アルプス五輪で、鍵山、佐藤は26歳、三浦は24歳。無良氏は「ミラノの経験を糧に金メダルを狙えると思います」と期待を寄せる。
「五輪が終わるとルール改正が行われます。4年後の傾向は想像はできない部分ではありますが、僕は全種類7本の4回転を跳ぶマリニンに代表される4回転時代にひとつの区切りがくるような予測をしています。鍵山選手、佐藤選手がどこまでレベルアップした内容を見せてくれるのか楽しみです」
 今、この瞬間から4年後にメダルの色を変えるための戦いが始まったのかもしれない。

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