皇帝”プルシェンコ氏が酷評「坂本花織は期待外れ」「中井亜美のトリプルアクセルは見事だったがSPの自由さ、ダイナミックさがなかった」…中井金、坂本銀予想も「裏切られた」
ミラノ・コルティナ五輪のフィギュアスケート女子シングルフリーが19日(日本時間20日)に行われ、米国のアリサ・リュウ(20、米国)が金メダル、坂本花織(25、シスメックス)が銀、中井亜美(17、TOKIOインカラミ)が銅メダルを獲得した。坂本は連続ジャンプのミスが響き1.89点差で金メダルを逃し、中井は日本フィギュア史上最年少のメダル獲得の快挙を成し遂げたがジャンプのミスや細かい取りこぼしから演技構成点が伸びなかった。ロシアの“皇帝”エフゲニー・プルシェンコ氏(43)は「坂本は期待外れ」「中井はSPのダイナミックさがなかった」と酷評した。
「中井は体の硬さが感じられた」
“皇帝”プルシェンコ氏が日本の2人のメダリストを酷評した。
自らが今大会中にロシアメディア「スポーツエクスプレス」で連載していたコラムで明らかにしたもの。皇帝はフリー前にSPの順位通りに中井が金、坂本が銀、リュウが銅と予想していた。
「だが私の直感は裏切られた」としたプルシェンコ氏は、まずは銅メダルの中井から俎上に載せた。
「17歳の日本人選手が重圧に押しつぶされることはないと思っていた。実際、トリプルアクセルから良いスタートを切った。しかも見事な出来だった。だがその後のジャンプ――トリプルについては満足できなかった。ループは小さく物足りない。フリップやルッツも弱かった。体の硬さが感じられた。ショートで見せた軽さ、自由さ、ダイナミックさがなかった」
中井は冒頭のトリプルアクセルをSPに続けて成功させた。GOE加点が1.71点付く素晴らしいトリプルアクセルだったが、3回転ルッツ+3回転トゥループの連続ジャンプの2つ目のジャンプが2回転トゥループになってしまうミス。マイナス1.85点の減点となり、基礎点で10.1点を稼ぐはずが、それも7.20点に留まった。大崩れすることはなかったが、プルシェンコ氏の指摘する通りに、後半も3回転フリップにエッジにアテンションがつき回転不足が指摘され、3回転ループもわずかに回転不足でGOEはマイナスとなった。細かいとりこぼしも重なってフリーの点数は140.45点と伸びなかった。
中井本人は「今回の演技前は落ち着いていたし、緊張もほとんどしていなかった。いつも通りの自分をしっかりと出せた」と口にしていたが、ロシアのレジェンドは、SPと違う異変を感じとっていた。
トリノ五輪金メダルを含む4大会連続メダリストで、世界選手権も3度V、一時代を築いたプルシェンコ氏だからこそ許される辛口評論は坂本にも向けられた。
「フリーでの坂本も期待外れだった。最初のダブルアクセルでバランスを崩し、自信を失った。動きが硬くなり、コンビネーションでも大きく失点。ジャンプの技術は正直、印象的ではなかった。普段のような大きな跳躍も、豪華でスピード感ある滑りも見られなかった」
坂本は、基礎点が1.1倍となる後半の最初に予定していた3回転フリップ+3回転トゥループの連続ジャンプが3回転フリップの単独に終わるミスを犯した。着氷後の体勢が前のめりになり、2つ目のジャンプを跳べなかった。冒頭のダブルアクセルは加点がつくジャンプだったが、 プルシェンコ氏には、そこからの狂いを見逃さなかった。
坂本はすでに前半に3回転フリップを使っていたので、REP(繰り返し)のペナルティを科され、この3回転フリップの基礎点が70%の4.08点となり、ここで得点を大きくロスした。リュウとは1.89点差。もし3回転フリップ+3回トゥループを跳んでいれば基礎点は10.45点あり余裕でリュウの得点を超える金メダルだった。

