「予想以上にクレイジーだった」世界遺産の円形闘技場での五輪閉会式にはイタリアで活躍の女優、市川純さんも蝶々夫人役で登場…チケットは約48万円にも高騰
ミラノ・コルティナ五輪の閉会式が北イタリア、ヴェローナの古代円形闘技場で行われ、17日間に及んだ大会が幕を閉じた。世界遺産でもあるオペラの聖地で行われた式典は、伝統芸術と現代ポップカルチャーを大胆に混在させた演出で英語圏メディアは「予想以上にクレイジー」などと表現した。また、米「CBS」では「閉会式には約1万2000人の観客が選手・関係者と共に参加した。開会式に比べはるかに親密な雰囲気だった」と開会式と比較して高く評価した。
イタリアで活躍中の女優・市川純さんが登場
舞台となったヴェローナの円形闘技場は紀元1世紀に建設された歴史的施設で、夏にはオペラ公演が行われる文化的象徴だ。閉会式のテーマは「行動する美」で、イタリア文化の象徴としてオペラを前面に押し出した構成だった。豪「ABC」は、「リゴレット、ラ・トラヴィアータ、アイーダ、蝶々夫人といった作品を想起させる演出が披露された」と報じ、荘厳な音楽と舞台がいかにもイタリアという幕開けを飾ったと伝えた。蝶々夫人をオマージュしたシーンでは、そのマダムバタフライ役として、イタリアで活躍中の日本人の女優である市川純さんが登場した。
しかし、この静謐な空気は終盤にかけて一変する。
米誌「ピープル」は、クラシック音楽中心の流れが「よりモダンな方向へ突然シフトした」と報じ、アメリカ出身のダンスミュージックユニット、メジャー・レイザーが登場し「Lean On」「Light It Up」などを披露したと伝えた。古代劇場が一瞬でダンスフロアに変貌した瞬間だったとした。豪「ニュース・ドット・コム」も「閉会式はさらにクレイジーになった」との見出しで報道。
クレイジーという言葉は演出を非難するという意味合いではなく、盛り上がりを表現したものだろう。
バレエ、オペラ、ポップ、90年代音楽、EDMが混在したジャンル横断型の構成を紹介し、歴史的会場での音楽的急転換が大きな話題になったと報じた。
これらの演出の会場で盛り上がりを伝えたものもある。
米「シアトルPI」は、メジャー・レザーのパフォーマンスでは多くの選手が立ち上がり、光るブレスレットを振って踊る姿が見られたと報じた。競技の緊張から解放された選手たちが最後の夜を楽しむ象徴的な光景だった。
主催者側には明確な狙いがあったとみられる。
米「NBC」は閉会式を「伝統と現代の橋渡しを意図した演出だった」と解説した。バレエ界のスター、ロベルト・ボッレ、人気歌手アキーレ・ラウロ、DJガブリ・ポンテらが出演し、イタリア文化の多面性を示すラインアップとなったとしている。
式典ディレクターのマリア・ラウラ・イアスコネ氏は「美は単に示されるだけでなく、体験され、共有され、呼吸される。私たちは観客に、感情と身体と魂が融合した物語の一部であると感じてほしい」と力を込めたそうだ。

