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今年2月に国内大会で復帰した際のワリエワ。2030年のフランス・アルプス五輪を狙っている(写真・AP/アフロ)
今年2月に国内大会で復帰した際のワリエワ。2030年のフランス・アルプス五輪を狙っている(写真・AP/アフロ)

「(金メダル)リュウよりワリエワが二枚上」またロシアから元メダリストが問題発言…ドーピング出場停止処分だった“元祖4回転申し子”と比較し「世界最強のスケーターと呼ぶことはできない」

 ミラノ・コルティナ五輪が閉幕したが大会でインパクトを残した女子フィギュアスケートの話題は尽きない。ウクライナ侵攻の影響で国家としての出場が認められなかったロシアからは”やっかみ”ともとれるバッシングの声や報道が相次いでいるが、元五輪メダリストで有名コーチのアレクサンドル・ズーリン氏(62)が問題発言を行った。金メダルを獲得したアリサ・リュウ(20,米国)よりもドーピング違反による出場停止処分で今大会に出場できなかったカミラ・ワリエワ(19、ロシア)が「二枚上手」とコメントしたのだ。ワリエワは昨年12月に処分が解け今年2月に競技復帰、2023年のフランス・アルプス五輪へ向けて再起している。

 「リュウが五輪王者でワリエワがそうでないという事実を受け入れるのは難しい」

 まだ言うのか。
 “皇帝”エフゲニー・プルシェンコ氏の日本勢への「裏切られた」との酷評に始まり、ロシアの名伯楽として知られるタチアナ・タラソワ氏の「史上最もレベルの低い大会だった」との発言に続き、今度は、ロシアの名コーチとして知られるズーリン氏が問題発言した。
 ロシアで最も歴史のあるスポーツメディア「ソビエト・スポルト」の取材に応じ、「リュウの金メダルが不当だと言う人はいません。彼女は公正な戦いの中で勝ち、自身の準備の高さを示しました。ここは誰も異論はありません。本当に素晴らしい」と称えた上で、こう続けたのだ。
「しかし、彼女を世界最強のフィギュアスケーターと呼ぶことはできません。過去の大会で我々の選手たちが支配していた時と比べると、得点や技術要素の落差があまりに大きいのです」
 ズーリン氏は現役時代はアイスダンスで1992年のアルベールビル五輪で銅、1994年のリレハンメル五輪で銀、引退後、コーチ、振付師として活躍し、日本の村主章枝のコーチを務めたことがある、
 そのズーリン氏の指摘通りに、今大会でリュウはフリーで150.20点をマークして計226.79点で金メダルを獲得したが、2022年の北京五輪で金メダルを獲得したロシアのアンナ・シェルバコワは計255.95点で29.16点差があった。リュウは難易度の高い連続ジャンプはフリーのプログラムには組み入れずに完成度の高さと演技構成点で勝負した。一方で北京でのシェルバコワは4回転フリップを2本プログラムに入れ、技術点は100.49点だったが、今回のリュウの技術点は77.74点に留まった。 
 また北京大会で銀メダルのロシアのアレクサンドラ・トルソワも計251.73点で、フリーでは5本の4回転に挑んだ。また銅メダルの坂本花織も計233.13点で今回のリュウよりも得点が上だった。
 別のロシアメディア「スポーツ24」もリュウの金メダルをこう批判していた。
「その演技内容は10年前のプログラムのようだった。確かにSPでは3回転ルッツ+3回転ループの連続ジャンプに挑んだもののフリーでは控えめな3回転ジャンプだけで3回転の連続ジャンプも一度きりだった。これは2010年代初頭の大会レベルに相当する。リュウの金メダルが問題だったのは、中井亜美や、アンバー・グレン、アデリア・ペトロシアンのようなウルトラC(トリプルアクセル、4回転)への挑戦や、3度の世界王者、坂本花織のような卓越した選手ではなく、本来の勝者ではない選手が勝った点にある。難しい要素に挑戦する必要はなく、安定して3回転ジャンプを跳び、ライバルのミスを待てばタイトルを得られるというメッセージを送ってしまったのだ」
 そしてズーリン氏は、北京五輪でのドーピング違反で4年の出場停止処分を受け、今大会に出場できなかったワリエワとリュウを比較して、こう指摘した。
「ワリエワは、リュウよりも二枚上手で、氷上でできることはすべてこなします。カミラ(ワリエワ)の才能は無限で、今後も正当に評価されることを心から願っています。リュウが五輪王者でワリエワがそうでないという事実を受け入れるのは難しい」

 

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