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  • なぜ天心は「連敗すれば自分の限界」の覚悟で”レジェンド“エストラーダとの挑戦者決定戦に挑むのか…危険な賭けか、井上拓真との再戦切符か…井岡一翔戦の結果待ちで「物語がなくなる」願いも
天心が4.11両国でメキシコの"レジェンド"エストラーダとWBC世界バンタム級挑戦者決定戦として対戦する
天心が4.11両国でメキシコの"レジェンド"エストラーダとWBC世界バンタム級挑戦者決定戦として対戦する

なぜ天心は「連敗すれば自分の限界」の覚悟で”レジェンド“エストラーダとの挑戦者決定戦に挑むのか…危険な賭けか、井上拓真との再戦切符か…井岡一翔戦の結果待ちで「物語がなくなる」願いも

 テーマはハッキリとしている。
「新しい技術より、持っていたものを本番でどう出せるかがポイント。気持ちですね」
 天心陣営では、拓真戦では「半分も力を出せなかった」の考えで一致している。
 井上拓真は真吾トレーナーと兄の井上尚弥とスクラムを組んで徹底した戦略を練り、天心の持てる力を封じ込めた。
 一方で天心陣営では、天心がポテンシャルをリングで発揮できれば再戦の舞台で勝てると踏んでいる。そのテストの舞台としてあえてエストラーダという実績十分のレジェンドを選んだのだ。
「力を出せばエストラーダにでも勝てる」「ここで勝てないようであれば拓真に勝てない」というかなりハードルの高い”リトマス紙”だ。
 天心も今の立ち位置を理解している。
「格闘技人生だけでなく人生において試される場所。崖っぷちな状態にある。こういう感情を味わったことはない。やる前から負けることは考えていない。連敗することがあれば限界も見えてくる」
 連敗すれば世界が遠のくどころか、天心自身が進退を見極めねばならなくなる。
 それでも天心は「やるべきことを精一杯やるだけ。納得できる環境、納得できる練習。納得できる時間を過ごしたい。これでやって負けるんだったら納得できるくらいの人生を送りたい」という。
 エストラーダ戦の先には大目標が控えている。
 世界のベルトではない。拓真へのリベンジだ。
「そのための試合だと思っている。エストラーダがむちゃくちゃ強いこと、ひと筋縄ではいかないこともわかっている。でも目指しているところはこんなところじゃない。やり返さないと気がすまない。リベンジするための第一歩。前回(拓真に)預けたものが大きい。しっかりと返してもらわなければいけない。人生をかけて負けた相手。そこからまた得るものが大きい。必ず取り返す」
 拓真との王座決定戦では、WBCから特別にサムライベルトが勝者に贈呈された。そのベルトは持ち回りかどうか不明だが、天心はそれをも奪い返したいという。
 練習環境も変えた。
「ボクシングを始めた理由は葛西さん。昔出稽古で帝拳にいったとき、将来ボクシングをやるなら俺が教えてやるよ、と言われた」と縁のある帝拳OBで元OPBF東洋太平スーパーフェザー級王者の葛西裕一氏のプロジム「GLOVES」へ通い、週に1度は父の弘幸氏が主宰のキックジム「TEPPEN GYM」へ通う新しい体制のもとでスタートを切った。
 天心は、葛西氏については「あの人はセリフがかっこいい、それが漫画チックで僕に響く。原点回帰」と語る。
「例えばボクシングは宇宙と言う。僕と同じ(笑)。つまり空手とかと違い型がないってこと。それに気づいたときにはっとなった。ボクシングの中にいたなと。今は外から見続けている」

 

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