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中井亜美とアリサ・リュウが抱き合い涙した感動シーンは世界中に拡散した(写真:PA Images/アフロ)
中井亜美とアリサ・リュウが抱き合い涙した感動シーンは世界中に拡散した(写真:PA Images/アフロ)

中井亜美とアリサ・リュウが抱き合い涙した感動シーンの裏にあった真実…「金メダリストの哲学に影響を受けていた」…りくりゅうペアと坂本花織の存在が銅メダルを生む支えに【緊急連載②】

 今季2人が直接対決したのはシーズン初戦のロンバルディア杯とグランプリファイナルの2試合だけ。ロンバルディア杯では中井が銀でリュウが4位、グランプリファイナルではリュウが金で中井が銀だった。
 リュウはSPで中井、坂本に続く3位だったが、フリーを前に「メダル?そんなものはいりません。ただ、ここに存在するだけでいいんです」と発言した。 
 さらに「彼女たち(日本勢)に勝つことが目標ではありません」と明言し「自分のプログラムを滑り、自分の物語を伝えることが目標です。そのために誰かの上に立つ必要も下にいる必要もありません」とも言った。中庭氏は「あれは緊張をごまかすためのパフォーマンスじゃないんです。リュウ選手は本当に素でそう思っているんです」と説明した。
 一方の中井もSPの後に「メダルはもちろん欲しいですけど、そこまで結果重視で今回の五輪に来ているわけではないんです。このオリンピックを最後の瞬間まで本当に楽しめたらいいなと思います」とリュウと似たマインドでコメントしている。
 フリーを前にもう一度「今まで頑張ってきた分、ここで楽しむべき」と言い聞かせたという。
 そのマインドがトリプルアクセルを大舞台で2度成功させた集中力につながったのかもしれない。
 中庭氏は「ただ結論から言えば、リュウ選手は技術があるから、楽しめるんです。練習でもジャンプはほぼ失敗しません。楽しみたいのなら技術を身につけるしかない。中井も技術がしっかりとし始めたからこそ、ちょっとだけ楽しめるようになったんです」と付け加えた。
 17歳の中井に五輪で影響を与えたのはリュウだけではない。
 中庭氏は”りくりゅうペア”と坂本花織の名前を出した。
「りくりゅうペアの逆転で金メダルを獲得したフリーを見て緊張が吹き飛びました。その流れのまま頑張れた。坂本花織選手の影響も大きかったです。最高の人間性。みんなに優しく、五輪の雰囲気にすっと入れるように競技の上ではライバルであるはずの中井の面倒まで見ていただいた。自身の試合もあるのに感謝しかありません。本当に凄い人です」
 コーチ陣は選手村に入らず別の場所で宿泊していた。それだけに選手村の生活も含めて、すでに2度の五輪を経験していて流れを知る坂本のサポートと存在は大きかった。
 今大会を最後に現役を退く坂本は金メダルのリュウとはわずか1.89点差だった。連続ジャンプが抜けるミスがなければ金メダルだっただけに悔しい銀メダル、一方の中井は次へつながる嬉しい銅メダル。
 それでも坂本は中井に「おめでとう」「凄い」との言葉をかけて祝福したという。

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