
非常事態の巨人に「岡本の長期戦線離脱は人災。阿部監督ら首脳陣の責任だ」と大物OBが緊急提言…「痛すぎる。優勝が遠のいた」
巨人を襲った4番打者、岡本和真(28)の長期戦線離脱。非常事態に巨人OBでヤクルト、西武で監督を務めた広岡達朗氏(93)が今後の戦いへ向けての緊急提言を行った。
「吉川の4番起用はない」
「岡本の怪我は痛いな。3か月はかかるという予想も信用ならんし、もっと早く戻る可能性もあるとは思うが、まだ5月とはいえ、4番のいない巨人の優勝は遠のいた」
巨人OBとして広岡氏も不動の4番岡本の離脱を嘆き、優勝の行方を大きく左右するという厳しい考えを明かした。
6日の阪神戦の初回に中野の三塁ゴロをさばいた浦田の一塁への送球がファウルグラウンド側へそれて、それを捕球するため伸ばした一塁の岡本の左腕と走者の中野が交錯。肘が逆向きに曲がった岡本はその場に倒れて悶絶した。ベンチに下がり、病院に直行したが、「左肘靭帯損傷」で全治まで3か月はかかると見られる重傷。前半戦の出場が絶望的となった。
広岡氏は、「岡本は何も悪くない。阿部ら首脳陣がサードやファーストと守備を固定していないからこういうことが起きる。ある意味、人災。悪いのは阿部。そういう起用をしてきた監督、コーチの責任だ。ああいう走者との接触の機会はサードではない。ファーストならファーストで、固定させないから応用動作ができなくなる。だから私は口を酸っぱくして守りを固めるなら守備を固定しなさいと言ってきたんだ」
今季32試合にスタメン出場している岡本は17試合が一塁、15試合が三塁。三塁から一塁への途中交代が7試合あった。今回の怪我は予期できぬアクシデントではあるが、広岡氏はその遠因に守備を固定してこなかった首脳陣の責任があると見ている。
不動の4番で岡本は、ここまで打率.308(リーグ5位)、8本塁打(同2位)、25打点(同3位)の成績を残していた。
チームの緊急事態に阿部監督はミーティングを開き「ここはみんなが一丸になるチャンス。なんとか戻ってくるのを待って、なんとか辛抱して、みんなで頑張っていきたい」と呼びかけた。
打率1割台の不振で、自ら直訴して2軍調整をしていたベテランの坂本と、7日のファームの横浜DeNA戦で本塁打を打った浅野の2人を緊急昇格させた。その坂本が7日の阪神戦で4回に勝ち越しのタイムリー二塁打を放ち、山崎、泉口、キャベッジの3連打も呼び込み、一気に4点を奪い勝負を決めた。
阿部監督は第92代の新四番には開幕以来3番を任せていた吉川を抜擢した。打率.311は、阪神森下の.343、1番泉口の.312に次ぐリーグ3位。阿部監督は「4番だから長打を打って欲しいとかはない。今一番いいバッターなんで」とその狙いを明かしていた。
広岡氏は「よく勝ったな」と阪神戦の勝利を評価したが「吉川の4番はない」と一刀両断。
「吉川は3番を打っていたが、本来は2番バッターだ。じゃあ誰が4番なんだ?と聞かれれば、誰もいない。監督、コーチがどうやりくりするのか」
広岡氏は4番問題についてこう提言した。
「あえていえばキャベッジだが、ここぞというところで頼りにならん。3の1で打てればいいが、不安定だ。4の1でいいんだが、それをここぞのところで仕留めてくれなきゃいかん。本人はバントをしてみたり、走塁でも全力で走るし、懸命な姿を見せているのは、評価してやりたい。研究熱心で賢くは見える。だが、日本の野球は、相手は、それ以上に徹底してデータを出して研究してくる」
キャベッジはここまで打率.289、5本塁打、12打点の成績を残しているが、広岡氏の指摘の通り、得点圏打率は.167とチャンスに弱い。
広岡氏は「丸はどうしているのか?」とも疑問を投げかけた。
3月22日のロッテとのオープン戦で走塁時に足を痛めた丸は、ようやく守備練習を始めた段階でまだファームの試合にも出場できていない。