
「まだまだやるべきことはたくさんある」レッドブル角田裕毅がエミリア・ロマーニャGPのフリー走行2回目でエースのフェルスタッペンに0.092秒差と肉薄の8番手
F1の今季第7戦、エミリア・ロマーニャGPが16日、イタリアのイモラ・サーキットで開幕し、レッドブルの角田裕毅(25)がフリー走行2回目(FP2)で8番手につけた。5番手のエースドライバー、マックス・フェルスタッペン(27、オランダ)との差は0秒092。緊急昇格5戦目でエースに最も肉迫した。角田は「まだまだやるべきことはたくさんあ。今日は全体的にポジティブな一日だったと思う」と予選へ向けて前向きなコメントを残した。
F1公式サイトは「チームとマシンに確実に慣れ親しんでいる」と評価
王者の背中に迫った。
日付が日本時間17日に変わって行われたFP2。1分15秒827のラップタイムをマークした角田は、20人中で8番手につけた。それだけではない。5番手だった王者フェルスタッペンとの差はわずか0秒092。姉妹チームのレーシングブルズから緊急昇格して5戦目で、最も肉迫した数字となった。
F1公式サイトは「レーシングブルズから加わった新しいチームとマシンに、確実に慣れ親しんでいる」とエミリア・ロマーニャGP初日における角田の走りを評価した上で、FP2を終えた直後の角田のコメントを伝えている。
「トップ5やトップ3ではないから、まだまだやるべきことはたくさんある。それでも今日は全体的にポジティブな一日だったと思う」
英国のモータースポーツ専門メディア『AUTOSPORT』は、FP2で一時は3番手につけるタイムを出した角田の走りを次のように伝えた。
「角田が珍しいトラフィックフリーラップを記録した」
これは60分間あるFP2のうち、大半のマシンがピットインしていた状況を見極めてコースインしたチーム側の戦略を指している。コースが高速で、なおかつ狭いイモラ・サーキットは、トラフィックと呼ばれるコース上の渋滞がよく発生する。
角田自身もアルファタウリ(現レーシングブルズ)の所属だった2021年のルーキーイヤーで、今回と同じエミリア・ロマーニャGPのFP3でトラフィックに遭遇。無線を介してチームへ伝えた造語が、F1界で一時流行した。
「これじゃあトラフィックパラダイスだよ!」
FP2に先駆けて行われたFP1でも、角田は計測ラップ中にトラフィックに遭遇。アタックができなかった結果として、1分17秒356で全体の16番手にとどまっていた。先述の『AUTOSPORT』は、角田が昨秋まで住んでいた第二の故郷、エミリア・ロマーニャ州でのサーキットで臨んだFP1を次のように伝えている。
「ツノダが前所属チームの一員として何度も走り、サーキットの特徴を熟知している利点を生かそうとしたなかで、彼はトラフィックに苦しんでいる」
FP1とFP2では、今季絶好調のオスカー・ピアストリ(24、豪州)とランド・ノリス(25、英国)のマクラーレン勢がともに1番手と2番手を占めた。
彼らに対抗すべく、レッドブルもマシンをアップデートさせて今レースに臨んだ。具体的には空力的な微調整を行いながらコーナーリング中のマシンバランスと、全体的なドライバビリティー(車両の運転のしやすさ)を向上させた。