
「井上尚弥に勝てる根拠?3度も逃げたじゃないか」9.14名古屋での対戦契約完了のWBA暫定王者の英大物プロモーターが来日し豪語…「カルデナスよりパンチが強くネリより技術が上だ」
プロボクシングの英大手プロモーション「マッチルーム」の最高トップであるエディ・ハーン氏(45)が26日に来日し、横浜市内で行われたダブル世界戦(28日・横浜BUNTAI)の公式会見に出席した。力石政法(30 、大橋)とIBF世界スーパーフェザー級王座決定戦を戦うエドアルド・ヌニェス(メキシコ)が同プロモーションの契約選手のため来日したものだが、9月14日に名古屋でスーパーバンタム級の4団体統一王者、井上尚弥(32、大橋)と対戦するムロジョン・アフマダリエフ(30、ウズベキスタン)もマッチルームの所属選手で、すでに正式契約が完了していることを明言。「9月に井上は負ける」と早くも宣戦布告をした。
力石vsヌニェスのIBF世界Sフェザー級王座決定戦は代理戦争
ビッグマッチの後には必ずリングに上がり自らインタビューを受けて、ボクシングファンの間では目立ちたがり屋の有名プロモーターで知られるハーン氏が緊急来日した。2日後に迫ったダブル世界戦の公式会見で大橋秀行会長の隣に座り、今回契約するヌニェスの世界戦が実現したことへ感謝の意を伝え「日本のボクシングは盛んでアメージングな場所になっている」とヨイショをした上で「日本のファンに謝らないといけない。ヌニェスは凄く強いので勝ってしまうことを謝りたい」と“毒ガス”を吐いた。
ハーン氏の来日は7年ぶり。契約選手だった当時WBA世界バンタム級王者、ジェイミー・マクドネル(英国)がスーパーフライ級から転級してきた井上の挑戦を受けたが、計量に1時間も遅刻するほど減量に苦労したあげく1ラウンドTKO負け。ハーン氏には、日本には、いい思い出はないはずだが、3年前に契約した29戦28勝(28KO)1負けのKO率96%を誇るヌニェスのタイトル奪取には自信満々だった。
「間違いなく勝つ。パンチは、パウンド・フォー・パウンド級。パワーは一番ある。すでにメキシコでは大スターだが、この試合に勝つと世界的なスターになる。勝って、ローチ(WBA王者)、ナバレッテ(WBO王者)、フォスター(WBC王者)らと統一戦を行いたい」
スーパーフェザー級の他団体王者の名前をあげて勝利宣言した。
そしてハーン氏が抱えているもう一人の大物刺客がいる。9月14日に名古屋「IGアリーナ」で井上と対戦するWBA暫定王者のアフマダリエフ(ウズベキスタン)だ。
すでに「試合の契約は完了した」と明言した。
「今は大橋さんとフレンドリーだが、明後日、力石が負けて、9月に井上が負けると私のことが嫌いになるだろう」
早くも挑発を始めた。
ここまでWBAからの指名試合命令を3度拒否したと主張するハーン氏は、メディアを通じて「なぜ井上がレベルの低い相手と戦って指名試合を避けることが許されているのか。井上にはガッカリだ」「井上のこういう行動や戦績はパウンド・フォー・パウンドに値しない。リストから外すべきだ」と強烈な批判を展開していた。
ハーン氏は、5月4日に米ラスベガスで井上がWBA同級1位のラモン・カルデナス(米国)と対戦して2回にダウンを喫したことについては「カルデナスレベルの選手と対戦することで、井上のモチベーションが上がらなかったのでは?カルデナスのレベルが相手では、攻めるだけで、どんなパンチを返されるかも考えずに戦っていたのだろう。MJ(アフマダリエフ)とやるときは、集中して危機感をもって戦ってくるので、ああいう風にはならない」と、冷静に分析した。