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亀田和毅のIBF世界フェザー級2位決定戦が発表された。左がプロモーターの興毅氏、右は会見に“乱入”して16年ぶりの現場復帰を明かした父の史郎氏
亀田和毅のIBF世界フェザー級2位決定戦が発表された。左がプロモーターの興毅氏、右は会見に“乱入”して16年ぶりの現場復帰を明かした父の史郎氏

井上尚弥戦を熱望する亀田和毅が路線を変更し「何?それ?」のIBF世界フェザー級2位決定戦を10.7大田区総合で戦う理由とは?

 プロボクシング元世界2階級王者でIBF世界フェザー級5位の亀田和毅(32、TMK)が15日、大阪のKワールド3ジムで、ファウンダーの亀田興毅氏(36)と共に会見し、10月7日に東京の大田区総合体育館で同級8位のレラト・ドラミニ(南アフリカ)とIBF世界同級2位決定戦を戦うことを発表した。興毅氏は「この試合は世界前哨戦、必ず来年の早いうちに世界戦を実現する」と公約した。また会見に無期限ライセンス停止処分を解除された父の亀田史郎氏(58)が“乱入”し、その試合で国内では16年ぶりとなるセコンドに復帰することが明かされた。

 「インパクトを残して勝ちたい」

 

 亀田和毅のフェザー級への挑戦が本格始動する。
 再び兄の興毅氏とタッグを組む初戦の10.7大田区総合体育館での相手が決まった。しかも、IBF世界フェザー級2位決定戦という勝てば上位ランカーが約束されるモチベーションもついた。
「やっと決まってほっとしている。インパクトを残して勝ちたい」
 和毅は、そう言い、目をかっと見開いた。
 相手はスピードを生かしたアウトボクシングが得意のドラミニ。21戦19勝(11KO)2敗の戦績で、過去にIBFフェザー級ユース王座、WBCインターナショナルフェザー級王座。WBCフェザー級シルバー王座などの地域タイトルを獲得している。
 映像を見たという和毅は「アフリカ選手は足が速い。12ラウンドあるんで、最終的には足を止め最後はノックアウトしたい」というフィニッシュパターンを想定した。すでにメキシコ、フィリピンから元地域王者クラスのパートナーを呼び、スパーリングを消化している。
 試合は12回戦で行われ、聞きなれぬIBF世界フェザー級の2位決定戦と発表された。プロモートした興毅氏は、「IBFは厳格なルールを定めているが、世界挑戦チャンスを得るには2位につけておくことが重要。IBF以外にも4団体あるんで、動向を見つつ、あらゆるパターンを想定して和毅の世界戦を来年の早い段階で組みたい。今回が世界前哨戦と位置づけている」と解説。
 フェザー級の世界戦を実現するには、王者を呼ぶために莫大なファイトマネーが必要になるが、「そんなことは承知している。ビジネスとしていろんなお金の集め方がある。必ず実現する」と約束した。
 王者のルイス・ロペス(メキシコ)は、日本時間の16日に、ジョエト・ゴンザレス(米国)と3度目の防衛戦に臨む。これは王者の選択試合。勝者は、次戦に今年4月に元2階級制覇王者のキコ・マルチネス(スペイン)との挑戦者決定戦に判定で完勝した阿部麗也(KG大和)と戦わねばならない。だが、王者が指名試合をスキップして統一戦へ向かう可能性もあり、和毅が、現在空位の2位の座を確保できたとしても来年の世界挑戦が約束されるわけではない。
 和毅の最終目標が、WBC&WBO世界スーパーバンタム級王者の井上尚弥(大橋)との対戦であるのならば、WBAが指令してきた前王者のムロジョン・アフマダリエフ(ウズベキスタン)との挑戦者決定戦を受けて、12月に予定されている井上と、WBAスーパー&IBF世界同級王者、マーロン・タパレス(フィリピン)の試合結果を待つ方が得策ではないか。タパレスに300万ドル(約4億4300万円)のオファーを出して断られたと亀田陣営は説明したが、和毅の路線変更には、わかりにくさがあったので、この日、改めて質問をぶつけてみた。
 和毅は淡々とこう説明した。
「2年前に(WBAの挑戦者決定戦に)勝ってWBAからも“次は和毅。ただ順番があるから、もうちょい待って”と言われ、無駄なノンタイトルを2回挟んだのに、挑戦がなくなって“(挑戦者決定戦をアフマダリエフと)もう一回やってくれ”となった。自分的には(世界)ベルトを見ているわけで、もう一回、指名挑戦権を取るためにボクシングをやっていない。(減量的に)体もきつい。ならば階級を上げてベストで戦ったほうがいいんじゃないかと決断した」

 

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