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山下美夢有が全英女子オープンを制した。史上6人目の偉業だ(写真:PA Images/アフロ)
山下美夢有が全英女子オープンを制した。史上6人目の偉業だ(写真:PA Images/アフロ)

「驚くほど冷静さを保った」「やるべきことをした素晴らしいパフォ」海外メディアも山下美夢有の全英女子OP初優勝を絶賛…英国地元で人気のあるハルの猛追を振り切ったプレーが評価される

 女子ゴルフのAIG全英女子オープンが3日、英西部ウェールズのロイヤルポースコールGC(パー72)で最終ラウンドが行われ、首位から出た山下美夢有(みゆう、24、花王)が、通算11アンダーの277でメジャー初優勝を飾った。日本女子のメジャー制覇は4月にシェブロン選手権を優勝した西郷真央(26、明治安田)以来史上6人目。全英制覇は2019年の渋野日向子(26、サントリー)以来、6年ぶり2人目となった。海外メディアは、英国の人気選手であるチャーリー・ハル(29)の猛追を2打差で振り切った山下の初優勝を「驚くほど冷静さを保った」「やるべきことをした素晴らしいパフォーマンス」と称えた。優勝賞金は146万2500ドル(約2億1500万円)。なおハルと共に2位には勝みなみ(27、明治安田)が食い込んだ。

 「ここまで凄く長かった」

 1日遅れの24歳のバースデーをメジャー初優勝という最高の形で飾った。
 最終ホール。短いウイニングパットを決めると両手をウェールズの空に突き上げて涙がこぼれた。すぐに竹田麗央、古江彩佳ら仲間たちが駆け寄り、歓喜のシャンパンシャワーで祝福された。
「本当に歴史ある大会でここに立つことができてとても嬉しいですし、ここまで凄く長かったですけど、たくさんの方に支えていただきました。特に家族のみんなには一番近くで支えてもらったので、こうして優勝を届けることができて凄く嬉しいです」
 優勝インタビューでも山下は何度か涙ぐんだ。
 そしてこう続けた。
「全英は難しいコースセッティングで、風が強い中でのラウンドですけど、ここまで素晴らしいコンディションを整えて下さった方々に感謝していますし、この大会に携わる方々に本当に感謝しています。ありがとうございます」
 感謝を忘れない素晴らしいスピーチだった。
 最終日に首位で出たが、地元の声援を受けるハルの猛追を受けた。過去3度メジャーで準優勝しているハルに14番では1打差までに詰め寄られた。だが、山下に動揺はなかった。
 前半は4番、8番、9番でバーディーを奪い、スコアを3つ伸ばし、後半は、13番でティーショットがバンカーにつかまったが、パーをセーブ。17番でボギーを叩いたが、ハルも16、17番で連続ボギーで脱落し、2打差で最終ホールを迎えて、しっかりとパーをキープした。
 海外メディアも山下の初Vを絶賛した。
 英高級紙「ガーディアン」は、こう称えた。
「山下美夢有は素晴らしい最終ラウンドを見せた。前半を33で回り、終始安定したプレーで後半の中盤にほんのわずかな乱れがあっただけだった。そのときでさえ、13番と14番で大きなパーパットを沈めて持ちこたえた。一時は、キム・アリムが首位に並び、チャーリー・ハルも猛追を仕掛けてきたが、そのたびに山下は冷静さと首位の座を保ち続けた。唯一のボギーは17番でそれも決定的なミスとは言えないものだった。昨年の全米女子プロで準優勝だった彼女にとって、今回の勝利はふさわしいものだった」
 英国営局「BBC」は「冷静なプレー」に注目した。
「山下美夢有はハルを抑えて優勝した最終ラウンドをほぼ完璧に終えた。ハルは午後、山下を執拗に追いかけて、1打差まで詰め寄ったが、16番と17番で連続ボギーを叩き希望は絶たれた。数組後方では、山下が驚くほどの冷静さを保ち、めったにないミスのダメージを最小限に抑えた。14番ホールでは長いパットを決めて見事にパーをセーブした。そしてパー5の18番ホールでボギーを叩いても優勝が確定する状況の中、山下は最初の2打をラフに入れて少し緊張の瞬間があったものの、安全なチップショットでグリーンに乗せ、パーを拾い、史上2人目の日本人優勝者となることを確定させた」

 

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