渋野日向子の今年最後の日本での大会は64位に終わる(資料写真:Penta Press/アフロ)
渋野日向子の今年最後の日本での大会は64位に終わる(資料写真:Penta Press/アフロ)

米ツアー初年度を「70点」と自己採点した渋野日向子の光と影

 

 今季から主戦場を米ツアーに移した渋野日向子(23、サントリー)が今年最後の日本での試合となった「TOTOジャパンクラシック」を通算1オーバーの64位で終えた。新型コロナ禍で一昨年と昨年は日本ツアーのみの開催となったが、今年は従来の日米ツアー共催。
「米ツアーの選手としてこの大会に出場したかった。それが1年目でできてうれしい。一年間、頑張ってきた結果だと思う」
 試合前の会見では満面の笑み。大会中は連日1時間以上もサインするなど時間の許す限り、会場の滋賀・瀬田GC北Cを訪れた観客との交流に努めた。

 17日から賞金総額約10億円の今季最終戦

 

 米ツアーとしては今季22試合目だった大会は、第1ラウンド(R)が3オーバーの75で71位と大きく出遅れた。第2Rは4日間で唯一のアンダーパーとなる69の3アンダーで回ったが、第3Rは72。最終Rは73だった。
「何もできなかった。まったくいいところを見せられずに申し訳なかったです」
 5月の「ブリヂストンレディス」以来、今季2試合目の日本ツアーとなった前週の「樋口久子 三菱電機レディス」と同じく連日大勢のギャラリーを引き連れてのラウンド。成績は出場77人で下から6番目だったが、改めて〝しぶこ人気〟の高さを証明した。
 昨年12月のQシリーズ(最終予選会)を突破し、初めて本格参戦した米ツアー元年は17日から始まる今季最終戦「CMEグループツアー選手権」(米フロリダ州)を残すだけとなった。当初は10日開幕の「ペリカン女子選手権」(同)にも出場予定だったが、「休むことを優先したい」と欠場することに。「決めたのはこの2、3日の間です」と日本での滞在を数日延ばし、リフレッシュすることを選択した。
 シーズンの優勝者とポイントランキング60位以内の選手だけが出場できる最終戦。年間女王などのタイトルが決まる賞金総額700万ドル(約10億円)を超えるビッグトーナメントを控えるが、日本での最後の試合を終えた渋野は区切りの総括。山あり谷ありのデビューイヤーを振り返った。
「個人的にはちょっと悔いが残る一年だった。これまでもずっと言っていますが、シーズン出だしのトップ10入りの滑り出しから、途中に続いた予選落ち。一年を通じて安定したゴルフができなかった。そういうゴルフをすることは難しいとは思うけど、残念でしたね」
 自身の今季第2戦だった「ホンダLPGAタイランド」では、米ツアーでは3度目となったボギーなしで第1Rをプレーするなど8位に入った。4月のメジャー第1戦「シェブロン選手権」は4位となり、試合のなかった一週間を挟んで臨んだハワイでの「ロッテ選手権」は優勝争いを演じ、惜敗の2位。この時点で早々に来季のシードを確定させた。
 だが、4月下旬の「パロスバーデス選手権」は117位で予選落ち。一時帰国して出場した「ブリヂストンレディス」も決勝Rに進めず、6月の「全米女子オープン」は110位で予選落ち。その3週後の「全米女子プロ選手権」は発熱を伴う体調不良で第3Rのスタート前に途中棄権した。

 

関連記事一覧