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前代未聞の”職場放棄”をしたキャディーの大江順一氏(右)と思わず泣きだした大西葵プロ(左)。先週のサントリーレディスオープンでは息ピッタリだったのだが…(資料写真・日刊スポーツ/アフロ)
前代未聞の”職場放棄”をしたキャディーの大江順一氏(右)と思わず泣きだした大西葵プロ(左)。先週のサントリーレディスオープンでは息ピッタリだったのだが…(資料写真・日刊スポーツ/アフロ)

なぜ前代未聞のキャディー”職場放棄騒動”が起きたのか…トラブルメーカーの”過去”と女子ツアーの特殊事情

 千葉・カメリアヒルズCCで開催されている女子ゴルフの「アース・モンダミンカップ」で、帯同キャディーが“職場放棄”する前代未聞のトラブルがあった。このキャディーは大西葵のバッグを担いだ大江順一氏で、国内最高額を誇る賞金総額3億円大会の第1ラウンド(23日)に騒動は起きた。

 日本女子プロゴルフ協会(JLPGA)やツアー関係者によると、インスタートの大江が17番(パー4)をプレー中に問題は発生した。一部報道では、2打目を右サイドのレッドペナルティーエリアに打ち込んだ大西は球が横切った地点から2クラブ レングス以内にドロップして4打目を打とうとしたが、大江キャディーは球が元あった位置(2打目地点)に戻って、4打目を打つことを提案。自身の進言を受け入れなかったことに、大江キャディーがキレたという。

 また目の前にスポンサーの看板があり、その看板を避けるための救済措置を巡って、それぞれが競技委員を呼んで確認、そこで2人の意見が対立して口論になったとの報道もあった。

 何が起きていたかの事実関係については、現在、調査中で、明らかになっていないが、結局、球が池の縁に止まっていたため、その地点から大西は無罰で3打目をプレー。4オン、1パットのボギーだった。

 ペナルティーの救済処置を巡る2人の意見の食い違いがトラブルの原因ではないとの見方もあり、大江キャディーは、2打目地点からの移動の際には、すでにバッグを担ぐことを放棄していたとされる。

 この行為を見かねた同伴競技者のキャディーが大西のところにバッグを持っていくと、大江キャディーは激高。大声をあげるなどの振るまいを続け、居合わせた競技委員にキャディーの交代を申し出た大西は18番のティーグラウンドで泣き出し、なかなか打つことができない姿はネット中継にも映っていた。

 ロープ外で見ていた大西のコーチの石井忍氏が急きょ代役を務めたが、持病の腰痛を抱えていたこともあって、途中で、大西が契約するテーラーメイドのクラブ担当者に交代。大西は3オーバーの121位で何とかホールアウトし、競技終了後にJLPGAに一連の報告を行った。しかし、その場に大江キャディーの姿はなく、何の説明もないままコースを後にした。

 選手にとってキャディーは試合中、唯一無二の存在となる。相談できるのはキャディーだけ。固い信頼で結ばれるべき関係だが、大江キャディーの悪態は今回が初めてではない。

 

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