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あと一人でノーノ―を逃した山本はロバーツ監督に労われ苦笑い(写真:Imagn/ロイター/アフロ)
あと一人でノーノ―を逃した山本はロバーツ監督に労われ苦笑い(写真:Imagn/ロイター/アフロ)

なぜ代えた?「もう十分に投げさせたと判断。あとは最後のアウトを取るだけ」あと一人で一発浴びノーノーを逃した山本由伸にまさかの悲劇…ロバーツ監督とトライネンが懺悔

 ドジャースの山本由伸投手(27)が6日(日本時間7日)、敵地でのオリオールズ戦に先発し、9回二死まで10三振を奪うノーヒットノーランの快投を見せた。だが、あと一人で1番打者のジャクソン・ホリデー(21)にホームランを許して、野茂英雄、岩隈久志以来、日本人で3人目(4回目)となる大記録を逃した。しかも、ここでデーブ・ロバーツ監督(53)が交代を告げ、後を受けたブレイク・トライネン(37)が3四死球と荒れ、2点のリードを守れず、同点から注ぎ込んだタナー・スコット(31)が連夜のサヨナラ打を浴びて、チームは泥沼の5連敗となった。

  「自分で選んだカットボールにタイミングがあってしまった」

 ドジャースが「天国から地獄」への悪夢のジェットコースターに乗ってしまった。9回二死。あのレジェンドの野茂、そして2017年の岩隈以来、日本人3人目のノーヒットノーランの大記録まであと一人に迫っていた。
 4連敗阻止を託されたマウンドで山本は快投を続けていた。3回に連続四球を与えたが、コビー・メイヨをカーブで空振りの三振に打ち取り、ホリデーをスプリットで二ゴロ併殺打に打ち取り、以降、パーフェクトに抑えていた。奪った三振は10個。動画サイト「ドジャーブルー」によると山本は、「序盤はそんなに球数が特別少なくいっているわけではなかったので、まさか9回のマウンドに上がれるとは思っていなかった。とにかく1イニングに集中して投げていました」と、終盤を迎えるまで記録を意識していなかったという。
 敵将のマンソリーノ監督代行も、9回の101球目に98マイル(約158キロ)が表示されたことに「思わず(スピード表示のある)スコアボードを見上げたよ。山本は本当に素晴らしかった。スプリットはえげつなく、カーブ、カッターもすべてが一級品だった。常にストライクゾーンで勝負していた」と、お手上げ状態だった。
 だが「そんな投手を相手に自信など持てないが、前向きに楽観的な気持ちは失わなかった」という。
 打席にはホリデー。カウント2-1からの4球目だった。カットボールがインコース寄りに甘く入ると、ホリデーのバットが一閃。ライナーで打球はライトスタンドのフェンスをギリギリに超えていった。まさかの一発で大記録が幻に終わった。
「打たれたなと思いました。いいコースには、いってましたけど、ちょうどカットボールにタイミングが合ってしまった」
 ロバーツ監督は、ここでベンチを出てマウンドに向かい交代を告げると、山本は苦笑いを浮かべた。
 山本の球数は112球。
 同サイトが伝えたところによると、試合後にロバーツ監督は、「ホームランを打たれたが、それでもいいピッチングだった。だが、その時点で完封も考えないようにした。もう十分に彼を投げさせたと判断した。あとは最後のアウトをとるだけ。ブルペンがたったひとつのアウトを取ればよかったんだ」と、交代理由を明かしている。山本も「ヒットを打たれたら交代だろうと思っていた」という。
 だが、結果論だが、この交代が裏目に出る。
 ベンチに下がる山本を敵地のファンもスタンディングオベーションで迎えた。大山本は帽子をとって応え、ベンチでは大谷から言葉をかけられた。ロバーツ監督は「素晴らしい仕事をしてくれた」と労った。
 それでも山本は「凄く悔しかった。最後は僕が選んだ球だったんですが、悔しさと、やられたかという感じ」の気持ちだったと振り返っている。
 だが、2点リードでバトンを受けたトライネンがゲームをクローズすることができない。あと一人をアウトにできず、まさかの結末が待っていた。

 

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